第5話 浩太貴重な体験をする

とぅるるとぅるるとぅるるとぅるるん

電話がきた、咲だ

(おーうどうした)

(どうしたじゃないでしょ、オーディションの結果来たの!)

そうか、今日は合格発表日か

(ど、ど、どうだったの)

(どうしよう、受かっちゃった、絶対無理だと思ってたのに! つきましては、来月から東京でレッスンです!)

(すげーじゃん、おめでとう、本当に僕マネージャーなれそうじゃん)

(んふふ、宜しくね、我がマネージャー)

まじか、彼女がアイドルになった。こんなことって、日本にいる中ではごく僅かしか味わえない体験だろう。それがこんな冴えない僕に。素直にとても嬉しい。しかし、来月から東京って言ってたな。これからどうなるんだろう。

初めてコーヒーを飲んだ時のような、複雑な気持ちになった夜を過ごした。

翌朝学校はお祭り騒ぎだった

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