第64話 お昼ご飯のあと

「大樹くん今回はよくできたんだね。この表情見たら分かるよ」


「瑞波に教えて貰ったところも結構出たし助かったよ」


 今回は瑞波の家にお邪魔してテスト勉強だ。瑞波特製のチャーハンを食べながら今日のテストの振り返り。


 それにしても瑞波のチャーハンすごい美味しいな。簡単に作れるものって言ってたけど、このパラパラ感とか最高だ。どんどん食べてしまう。


「ふふふっ。大樹くん美味しそうに食べてくれるね。あ〜んしてあげようか?」


「ならお願いしようかな」


「は〜い。じゃあ、あ〜ん」


 そんな甘いお昼を過ごしたらまた勉強だ。ご飯を食べてちょっと眠くなるけど我慢我慢。そんな寝てる暇はない。


 俺は教科書を開いて明日の科目の復習をする。明日は英語と古文だ。どっちとも覚えればある程度はいける。つまり今の頑張りがほぼ点に直結する。


 それが定期テストだ。模試だとそこまで上手くはいかないけど……


 古文は今回は活用形を覚えて後は徒然草。英語は英文の読解を再確認。


 と調子よく勉強を進めていたのだが……


「うっ……ん〜っ」


 猛烈な眠気が俺を襲ってきた。今の時刻午後2時。眠くもなってくるだろう。プラスして瑞波の部屋の心地良い匂い。


「大樹くんちょっと頭がこっくりこっくりなってるよ。一度眠るのも良いんじゃない? 頭リフレッシュだよ」


「ダメダメ。今甘えたら絶対に後悔する。それに明日が終われば休日なんだから絶対に寝ない!」


 俺の言葉に納得してくれると思ったのに何故か瑞波は不服そうな顔で俺の横にやってきた。


「もうっ。素直じゃないなぁ。そんなに眠たそうな目してたら流石に私もこうしないといけないよ」


「えっ?」


「えいっ!」


 瑞波が俺の肩を掴んでぐいっと引っ張った。それに対応できずに瑞波の太ももに着地してしまった。


「ちょっと瑞波! 今はふざける時じゃないから!」


「いいからいいから。ほらリラックスして私の太ももの感触楽しんで良いよ」


 そんなことするか! と言いたいところだったけれどそういうことを言われたら、嫌でも意識してしまう。


 柔らかい太ももの感触。そして瑞波がゆっくり頭を撫でてくれる。


 あぁやばいやばい。今、めっちゃ自然と寝そうになってしまってだんだけど。


「ほらほら大樹くんすっごく頑張ってるんだからちょっと休憩しよう。私がちゃんと1時間後には起こしてあげるから」


 瑞波の優しい声に抵抗できない。瑞波の母性? に完敗してしまう。


「瑞波……z z z」


「大樹くん。私のために頑張ってくれてありがとう。でも、無理しちゃって身体壊しちゃったら……それが1番嫌だよ。だからちょっと強引だったけどごめんね」


 瑞波が何か言っていたけれど、俺はほぼ聞き取れずそのまま眠りに落ちてしまった。

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