第63話 テスト開始

「やばい緊張する。こんなにテストで緊張したのって入試以来なんだけど」


 ついにテスト初日がやってきた。今日の科目は化学と数Iという理系科目2つだ。


 もう緊張で吐いてしまいそう。でも大丈夫。瑞波と一緒に頑張ったんだ。自分にできることをやりきるのみ。


「おいおい大樹。そんなガチガチの顔してないでさっさと諦めろって。俺は進級出来れば良いと思ってるから気が楽だぜ」


「うるさいうるさい。俺はやってやるんだ。ほらそろそろ始まるから席に座れ」


 とここで先生がやってきてみんなもゾロゾロと教室へ入ってくる。と、ここで瑞波もはいってくる。ちょうど目が合った。


(大樹くんファイト!!)


(ありがとう。瑞波もね)


 アイコンタクトをかわして精神集中。瑞波にエールも貰ってちょっと落ち着いてきた。


「それじゃあ問題用紙を配るぞ〜。その前に机の中に何もないか確認しとけよ」


 毎回恒例のところから始まってついに問題用紙が配られる。冊子になってる感じからして問題の量は多そうだ。


 これで計算問題が多かったらやばいな。時間が足りるだろうか。


「よし、全員に配られたな。よしそれじゃあ始め!!」


 先生の合図と共に全員がガバッと用紙をめくる。そして一気にシャーペンの走る音が響く。


(分かる。この問題は問題集にあったやつだ。しっかりやっておいて良かった。次の問題は……瑞波としたところっ!)


 問題を解きながら瑞波の笑顔が浮かんでくる。やっぱり瑞波の笑顔はとびっきり可愛い。


 みんなに認めて貰うためにも一問も落とせない。一点でも高い点を出さないと。


 結局テスト中ずっとペンが止まることはなかった。自信もかなりある。これは結構良いところまでいったんじゃないかな。


「あぁ大樹ぃ。俺死んだわ。全然出来てねぇ」


 と修はテストが終わると俺の方にやってきてこの世の終わりのような顔をしていた。そりゃテスト週間にずっとゲームしてたらそうなるだろ。特に今回はちゃんと復習してないといけない問題多かったし。


「今回で欠点あったら部活禁止って顧問の先生が言ってたぞ。今からでも挽回した方がいいんじゃない?」


「おい大樹!! そんなことあったんなら早く言えよ! あぁ俺のレギュラーへの道が遠のいていく……」


 真実を知ってしまってさらに落ち込む修。


 結局、二時間目の数学も死んだらしい修。負のオーラを漂わせながら帰っていった。


 俺は数学もなんとか上手くいってテスト初日は成功に終わった。



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