第54話 テスト週間開始!

「はい。じゃあ今日からテスト週間です。家に帰ったらちゃんと勉強すること。赤点なんて取ったら補習だからね」


 7時間目のロングホームルームが終わって今日は放課になった。いつもならここから部室に直行するのだがそうはいかない。


 何故ならさっき先生が言った通り今日からテスト週間。全ての部活が中止されて勉強に専念させられる。まぁどこでも変わらないだろうが。


「よし。じゃあ俺は帰るから。また明日な」


「おいおい大樹。今からおれたちとハンバーガー食べながらグダグダするっていうのにどこに行こうとしてるんだよ」


 教室のドアをくぐろうとしたところで純也に肩を掴まれた。


 そう。残念ながら部活がなくなったからといって生徒全員がガチで勉強するわけではない。とくに運動部は部活がなくなったテスト週間はだらけるやつが多い。


 そういう人多かったのではないだろうか。それはソフトボール部でも例外ではない。いつもの俺ならまぁ今日一日くらいちょっとだらけても良いかと思ったに違いない。


「ごめん。俺帰って勉強しないといけないんだよ」


 今回は違った。そう。俺は学年末テストガチ勢なのである。


「いやいや。大樹ならそんなガチでやらなくても大丈夫だって。前回も結構順位上だったし心配することないって」


「いや。今回順位がよかったらおこずかいめっちゃアップなんだよ。だから頑張らないといけないの」


 これは噓じゃない。


 瑞波と春休みにお泊りデートをするならそれなりにお金がいる。でも俺たちの学校はバイト禁止。


 となるとやはり親からお金を頂くしかない。それで親に言ったらニコニコ笑顔で10万くらい? とか言って来たのだが流石にそれはやばいので順位に応じていくらか頂くという形になった。


 息子に出来た可愛い彼女。俺たちのことを応援してくれるのはありがたいのだがちょっと甘すぎではないだろうか。


「それで目標は何位くらいなわけ?」


「20」


「まじでいってんの!? それは流石に無理だって。鉄壁のtwentyに入るには相当勉強しないといけないぞ。それこそ人間をやめるレベルで」


 修も会話に入ってきて俺の宣言にビビっている。それだけトップ20の壁は高い。化け物の集まりだ。


「と、いうわけだからダラダラする暇はないの。テスト終わったら行くからさ。じゃそういうことで」


 瑞波と付き合いだしてカッコ悪いところは見せられないといつも以上に授業とか復習には力を入れてきた。


 その結果が出ればいいなと思う。





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