第6話 誘います〈side瑞波〉
お風呂から上がった私はご飯も食べ終わってまた自室でダラダラとスマホを眺めていた。何かをするわけでもなく友達の投稿にいいねしたり、最近ハマっている犬の動画を見たりとダラダラしていた。
友達は今日彼氏とクリスマスデートとかそんな投稿をしている。とっても羨ましい。
「私だって大樹くんと一緒にクリスマス過ごしたかったのにぃ~!」
バフっとクッションに顔を埋めてみた。そのまま足もバタバタさせてみる。それを続けること1分。だいぶ落ち着いてきた。
「もっと部活中にいろいろしておけばよかった。でもマネージャーだから思いっきりは出来ないんだよね」
私はソフトボール部のマネージャーだ。部員とははみんな公平に接しなければいけないと思う。
もちろん大樹くんには愛情100%増しのドリンクを渡してたけど、公になにか出来るかというとそれはNO。
本当は大樹くんがファインプレーをした時とか思いっきり抱き着きたかったし、したいことはいろいろあったけど結局何一つ出来ていない。
「まだまだ。今日はクリスマスイブ。明日がクリスマス本番なんだから」
明日どこかに一緒にお出掛けしたい。でも私、振られちゃった身だし今まで遊びに誘ったりしたことなかったのに急にそんなこの言っちゃっていいのかな?
「アピールするって言ったんだし、チャンスは逃しちゃだめ。でも急だよね」
いろいろ考えてネットサーフィンしているうちにあるブログにたどり着いた。とは言っても部活の顧問の先生のブログで連絡事項を載せているものだ。
みんなの前で言い忘れていたこととか、急な日程変更とかはこっちで確認しないといけない。よくあるシステムだよね。
「あ、明日休みになってる。これはみんなに連絡しておかないと」
みんな確認してると思うけど一応私の方からみんなに連絡しておこう。
でも、その前に明日、どこかに行けないか聞いてみよう。すごい緊張するよぉ~!
初めて男の子をどこかに誘う。どうやって言ったらいいのかな。
ここはスマートに「明日、どこか一緒に出掛けませんか?」っと。どう? 変じゃないかな? うーん。これ、本当に送ってもいいの? やっぱり迷惑?
「いや! 送るだけ送ってみる! 断られちゃったら諦めよう。たぶん断られちゃうんだろうなぁ」
そんなことを考えながら大樹くんにメッセージを送る。直後、部のグラフに明日の部活は無いよっていう事も知られておいた。
「う~ううん! どうかな? どうかな? もう見てくれた?」
そんなこんなでしばらく大樹くんとやり取りをした私。そして……
「やった!! 大樹くんと明日遊びに行ける!」
結果は大成功。大樹くんは私とお出かけすることを了承してくれた。もう天にも昇るうれしさ。
よし! 一歩一歩大樹くんとの距離を縮めていけれればいいな。
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