スターリンの知識を持ってる必要は無く、無くても楽しめます

本作、別にスターリンの知識必須ってわけじゃないですね。
私も「大粛清を行った共産陣営の独裁者」くらいの知識しかまともな知識が無いレベルなんで。スターリンに関して語れと言われても10分持たないレベル。

本作のスターリンは「共産主義を信奉するあまり、ボタンの掛け違いが起こり、狂ってしまった元は真面目な人」みたいな扱いになってて、クソ真面目に自分の信奉する行動原理に従って、動き回るさまが面白いです。

で、そんな彼を嘲笑う内容かというと、そうでもなくて。
敵になってる連中が、彼をこき下ろすのに理論や事実ではなく、レッテル貼りだとか、印象操作で対抗しようとするさまが「おいおい、それでスターリンに反論したつもりか?」という気になって、そういう自分は普段そうなっていないかどうか振り返ってしまうところも面白いところ。

何のために彼が現代に呼ばれたのか?
それはただの偶然ではないらしく、そこが徐々に明らかになっていくところも読ませてくれます。

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