第9話
夕食時でも父に、
「何もするなよ」
と言われてしまい外でも普段どおりの威圧的態度で自分は殆ど話すことなく今就寝時間が来た。
部屋数にあまりがなく布団もベッドも人数分しかないこと、女のことを床に寝かせるわけにいかないだろうことから僕はベッドを明け渡しリビングの床にブランケット2枚で寝ている。
自分のこれからがあまりにも心配でミスをしたら人生を失いそうで負の感情に脳を飲み込まれて何も考えられなくなりそうになっている。
(なにも、俺は鬼じゃないよ。本当に受け入れられなかった時しか罰は与えないよ)
ラ・マさんはそう言うが信じていいものかと思ってしまう。
(おい)
ただ、今の状況全てが自分にとって最悪かと言うとそういう訳ではない。
友もおらず、家族とも中が悪いと思っていたが、ラ・マさんやナビという不思議な人間関係を通して友だちは居ないけど家族仲はそこまで悪くないのではないかと思えた。
ひとりじゃないって思えた。
頼ってもらえたことが嬉しかった。
だからきっと僕はまだ行動できると思う。
(もう寝な)
(はい。おやすみなさい)
(おやすみ)
僕はいつぶりかわからない安心感の中目を閉じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます