第7話
ナビゲーターの紹介が住むときが住んだのか何の前触れもなくいつもの世界へと追い出された。
(呆然としてるでしょ? 早く移動して)
もう、少し慣れてきてしまっている心への呼びかけで周囲を見渡すと確かに自分の立ち位置や周辺の人物が動かず残っており、目に光を浮かべず空を見上げていた。
泥棒の一件からラ・マさんに逆らう気持ちは失せてしまった。
人混みを通り抜け再び家への帰路についた。
思えば昨日までと比べるととんでもなく長い下校道だ。
友だちと帰っていれば多少ふざけあって帰る時間が遅れることもあるのかもしれないが自分には今までそんな経験がなかっただけに不安になる。
親や夕食、明日のことが。
ただ、今考えても仕方のないことは、考えても仕方がない。思考を振り払い歩を早める。
「あ~疲れた」
「帰られましたらごゆっくりすることをおすすめします」
「何でいるの?」
「ナビゲーターですから」
(残念だったね)
僕は、心はラ・マさんに見透かされ、現実世界ではナビゲーターがいることを忘れようとしていた。
そして、あーだこーだ考えていたことが全て筒抜けだとわかりとたんに恥ずかしくなった。
「俺に自由はないのか!」
そう叫びナビゲーターを置いていくつもりで走ったが追い抜くことすらできなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます