第3話

「要するにどういうことですか?」

「君は本当に質問ばっかだな」

「はい」

「はいって」

 苦笑しつつもラ・マさんは再び解説を始めてくれた。

 僕に頼みたいことは簡単に言えば悪いやつの悪い行動をどうにかすること。

 で、なぜ選んだかはラ・マさんのお姉さんの占いでバッチリ僕が適任と出たから。

 調査は占いの結果が本当かを直に確かめるため。

「以上」

「……。やっぱり、わかんないです」

「全然大丈夫。なんとかなるから。さ、これを持って」

「だから、占いで選ばれたとか、見ただけで適任だとわかったとか、よくわかんないんです」

「わかんなくたってそれが現実だから」

「そんなの作り話かもしれないじゃないですか」

「じゃあ、君は今の状況を説明できるの?」

 僕は考えていなかった。安心しきっていたのかもしれない。ここは、自分の知らない場所で、知らない人の前だということを。

「君に断ることができると思うの?」

 そして、気づいたら知らない場所に居て知らない人と話していたなんて話は誰も信じてくれない。信じてくれても、それこそ、作り話だと笑われるだけかもしれないということを。

「そうだよ」

「やめてください」

「君がおかしいと言われるだけだ」

「やめて」

「君がおかしくなったと思われるだけだ」

「やめろ」

「待ってたよ。その反応」

「……?」

「ダジャレじゃないがこの石が反応している。君はまさに正義の人間だ」

「一体何を言って、そうだ。スマホ」

「そんなもん無駄だよ」

 慌てて自分が未だ現実にいることをスマホで確認した。しかし、

「ここ、Wi-Fi飛んでないんですね」

「圏外? とかじゃないかい? そこは」

「そうですね。なんかもう疲れました」

 実際意味わからない状況は一切変わっていないし、頼みを聞き入れないと家に帰ることもできなさそうだと悟り、自分としてはあきらめモードに入っていた。

 なげやりになっていた。

「もう、やります」

「お、言ったな。取り消せないぞ」

「はい」

「説明はしたからな」

「はい」

 突如、視界がホワイトアウトし再び僕は自分を見失った。

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