第2話
「よし」
「さっきから何してるんですか? それよりここはどこですか? 僕はなんでここにいるんですか?」
僕は自分の中に浮かぶこと立て続けにぶつけた。知らない場所にいるのに不思議と恐怖はない。そのうえラ・マさん同様安心感のほうが大きい。いっそここから出たくないほど。
「俺は困るんだよ。ずっと居てもらっちゃ」
「そうだった。読まれてるんだった」
「あと、質問が多い。何だって?」
「まず、僕はなんでここにいるんですか?」
「それは君に頼みたいことがあったからだ。それで?」
「次に、僕に頼みたいことってなんですか?」
「そんなこと聞いてなかっただろ」
「はい」
「あとで言う。質問はそれだけ?」
「いえ、ここはどこですか?」
「ここは、俺の家であり店だ」
「店?」
「そうだ」
言われて見回すが、少し前にいるラ・マさん以外は暗くて何も見えない。自分はここに居てなぜ警戒できないのかと疑問に思いつつ、今どきこんなに暗い店があるのかという驚きも抱いた。
「もうない?」
「最後に、さっきから僕の周りで何してるんですか?」
「君の調査」
「なぜ?」
「質問は終わり?」
「え、聞いたものは、はい。でも、なぜ」
そこまで言うとラ・マさんは大きく伸びをすると気だるそうにその場に座り込んだ。
「まあ、座れ、そのこともさっきのことも話してやるから」
「はい」
ここに来てようやく自分のブレーキが復活した気配を感じた。がしかし、踏み込んだアクセルのスピードには対応できなかった。これ以上進むとやばいという予感がありつつも引き返す選択はできなかった。
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