蠍座
銀河鉄道の夜のテーマともいえる蠍の話は、キリスト教徒である姉のかおるの口から語られます。その昔、バルドラの野原に生きていた蠍は井戸に落ち、多くの生き物を殺して生きていたことを後悔したそうです。この命を他の生命のために使ってほしいという彼の願いが天に聴きいれられ、蠍は天に輝く蠍座になったというお話です。
この蠍は鳥捕りで体現されている、賢治の理想の生き方そのものを現した存在であり、銀河鉄道の夜のテーマを読者に直接語りかける場所でもあります。
かおるから蠍の話を聴いたジョバンニはカムパネルラに語ります。
「カムパネルラ、また僕たち二人っきりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行こう。僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなのためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかなわない」
そうしてその言葉の後に、ジョバンニはカムパネルラと永遠の別れを迎えます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます