プリシオン海岸

 プリオシン海岸は花巻に実在するイギリス海岸がモデルになっているといわれています。北西川の岸辺には白っぽい泥岩の層が広く露出しており、それがイギリスあたりの白亜の海岸を歩いているような気分になることから、名づけられた名前です。

 今はダムが出来ている関係で水位が安定し、この泥炭層を見ることはできません。賢治が生きていた当時は、発掘などを授業で行っており、賢治も頻繁に足を伸ばしていたそうです。

 この海岸で、ジョバンニたちはクルミの化石を発見します。このクルミは、賢治が実際にイギリス海岸で発掘した、バタクルミの化石がモデルであると言われています。また、賢治はクルミの他に生き物の蹄の後も見つけており、これがプリオシン海岸にて大学士たちが化石を掘っている話のモチーフになったといわれています。

 化石の動物は作中でボスといわれていますが、これはボス・プリミゲニウス(オーロック)のことを指していると言われています。現在の家畜化された牛の祖先にあたるボスは、全長三メートルはあるかなり大型の哺乳類だったと推測されています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る