白鳥座
白鳥の停車場は銀河鉄道に乗ったジョバンニとカムパネルラが始めに降りる駅です。彼らはここから、あの有名なプリオシン海岸へと至ります。
白鳥の停車場があった銀河鉄道にはモデルがあったのではないかという説があります。銀河鉄道のモデルは一般的に岩手軽便鉄道だと言われていますが、そこにはもう一つ賢治が樺太を旅したときの記憶もモデルになっているのではないかと言われています。最愛の妹トシを失った悲しみを癒すために賢治は北への旅を決意したと言われていますが、その道中で賢治は北へ行くにも関わらず、南へ旅するような奇妙な感覚に囚われたというのです。それが銀河鉄道の夜の中で、そのまま北から南(サザンクロス)を目指すジョバンニとカムパネルラの旅になったといわれています。
また、白鳥座はサザンクロスと対を成す、北の十字架でもあります。白鳥の形をした島に立つ大きな十字架は、そのままキリスト教徒のシンボルでもあり、サザンクロスと対を成すキリスト教徒たちが降りる駅でもあるのです。法華経を敬愛していた賢治は銀河鉄道の夜でもジョバンニの生き方を通じて、その教えを体現しているとされます。
この北の十字架がでてくる白鳥の停車場は、これからジョバンニたちが乗り合わせる青年と二人と姉弟たち(キリスト教徒たち)との対話の予兆でもあると言えます。
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