天気輪
天気輪は、ザネリにからかわれたジョバンニが走ってやって来た丘の上に立っている建造物です。
天気輪は作中で何を言い表しているのか、クラムボンのように諸説別れる言葉であります。暈現象を表しているともいわれるし、東北の墓の入り口に建てられるお天気柱ではないかともいわれていますが、正体ははっきりとしません。一説によると、五輪の塔ではないかともいわれています。銀河鉄道の夜フィールド・ノートでは、水沢の緯度観測所に設置されていた「天頂儀」だったのではと書かれています。
水沢の緯度観測所は一八九九年に国際緯度観測事業のために設置されました。水沢を含む世界の六か所の同緯度の場所で、地球の極運動が観察されていたのです。
この観測に使われたのが、天頂儀(眼視天頂儀)という、天頂を観るための天体望遠鏡でした。また、著者の寺門和夫は、天気輪は三角標(測量で用いる三角点の上に組む櫓)を置くことが出来る三角点がある丘ではないかと説明しています。
三角点を置くことができる丘はどこなのか。種山高原にある物見山が天気輪の置かれていた丘のモデルではないかと結論付けています。
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