無我夢中

第1話

小鳥が餌をついばんでいた。小鳥は仲間と遊んでるのかもしれなかった。羽をバタバタさせて地表スレスレを飛び回る。まるで無我夢中。

わたしは産まれたばかりの巣立ちの小鳥が地面に落ちたのかと思った。ノラ猫でもいたら格好の獲物だ。それを見つける猫の嗅覚、その姿は無我夢中。

わたしは驚いて小鳥を守ろうとした。小鳥がダンスしていたのは、小さな羽虫を追っていたのだった。あたりには猫の気配もない。