第24話 SS 木津と朋樹

「美味いっすね、このコンポート」

チェリーパイを作り終わって、半分貰って帰った。チェリーパイの為に作ったコンポートが木津さんは気に入ったみたいだ。

「流石に亮くんは料理上手だよね」

「そうですね、でも俺は朋樹さんの作ってくれる家庭料理の方がほっこりするかな」

手招きされて、木津さんが座るソファの隣に座る。重なる唇にさくらんぼが入って来る。

甘い。…木津さんの舌も甘くて同じ味に頬が紅くなる。

「エプロン姿の朋樹さんが凄く可愛かった。その場で襲いそうになるくらい」

「…今度、裸エプロンとかやってみる?」

冗談でいったつもりだったのが本気に取られてしまった。僕、可愛いいエプロンなんて持ってない。今日使ったのだって昼間、太一の店を手伝うとき用に買った、深い緑色の普通のエプロンだし。

それでも良いらしい。木津さんは結構強引だ。確かに言い出したのは僕だけど、張り切る木津さんに何も言えなかった。

服を全部脱がされる。

ズボンも下着も脱がされたのに、エプロンを着ける。変な感じ。乳首を擦るエプロンの感触がこそばゆい。

「すげー、萌える」

いつもより興奮しているらしい木津さんのキスは長い。キスをしながら、乳首を捏ねるようにエプロンの上から弄る。

くすぐったいのと恥ずかしいのと、思ったより気持ち良いのとで膝ががクリと落ちる。しがみつく様に木津さんの首に腕を回すと、乳首をゆっくりと舐められた。

いつもより気持ち良い。すでに自身が猛り、エプロンの裾を持ち上げる。木津さんの反応を確かめるようにそっと腕を伸ばした。

勃ってる

そろそろと指でなぞる様に撫でる。相手自身を加えると舌で下から上へと舐め上げた。

木津さんの指先が耳許から首筋、背中へと這うように撫でる。

気持ち良い…。その指の動きに、掌の大きさに安堵して腰を持ち上げる。

指で開かれて行くのかわかる。その先の気持ち良さを知っている。期待にひく付き始めるのが分かる。ゆっくりと侵入してくる指に、そのリズムに合わせて、身体を捩る。一本が二本になり、前立腺を掠めるように刺激されると指ではもう物足りない。

木津さんが欲しくて木津さん自身から顔を上げるとキスを求めた。

僕を膝の上に座らせ、キスをしながら僕の中に木津さんが這入ってくる。腰をくねらせて上手く這入る様に誘導する。深く木津さんを咥えこむと同時に息を吐き出した。

「苦しい?」

大丈夫と、首を横に振る。深く繋がっていることが嬉しい。最初はそれだけで良かったのに、今はそれだけじゃあ足りない。気持ちよくなりたいし、気持ちよくしたい。

「悠…」

自分でも驚くぐらいの甘い声が漏れる。

木津さんが僕の髪をゆっくりと撫でながら、耳許で囁く。

「…自分で動ける?」

小さく頷く。上手くできるかはわからないけど、このままだともどかしい。ぎこちないけれど、膝をソファについてゆっくりと腰を上下に動かす。深く繋がるたびに、気持ち良い場所が刺激されていく。けれど、射精できるほどの刺激ではなく、そのうち激しく木津さんを求めるようになった。

「…ん、…あ、あっ、ああっ」

ゴロンと背中がソファに当たる。激しくなる律動に相手の腰に脚を絡める。徐々に刺激される行動に無意識に声も上がっていく。我慢出来ずに射精すると同時に木津さん自身を締め付ける。少し遅れて木津さんも僕の中に射精する。

何だか、どんどん変態になっていくなぁ。

こんなに淫乱だなんて思わなかった…。

一息ついて、ぼんやりと木津さんを見る。

それに気付いて、キスをされる。

「もう1回したい。全然足りない」

呟かれた言葉にもう一度、キスをすることで応えた。

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