第23話 SS 亮と太一

「俺のエプロン姿って可愛いい?」

夕飯を食べた後、二人で並んで食器を片付けていると、今日チェリーパイを作っている途中そう聞かれて咄嗟に思い浮かんだ姿は白いフリルのついたエプロンドレス姿の太一さん。

究極に似合わない。

可愛いとは対極に居る人だと思う。だけど、仕事用の黒いギャルソン姿の太一さんは確かに格好良い。その時は、朋樹さんに焼き加減で呼ばれて答えられなかった。

「可愛くはないだろけど、仕事中の太一さんはかっこいい、かな」

「…そっか、木津がエプロン姿の亮と朋樹が可愛いいとか言うから、俺も可愛いいと思われてんのかと思った」

「木津さんが可愛いいって思ってんのは朋樹さんだけだから。…俺は?」

「…亮はエプロン姿は可愛いいけど、」

太一さんの腰を引き寄せると逃げようとする素振りを見せたので、腰を抱きしめる腕に力を込めて、耳許で囁く。

「けど?」

「…コックコート姿は、…悔しいくらいにかっこいい…」

頰を紅揚させ、息が上がる太一さんに軽く唇を重ねる。太一さんが弱いところなんて全部知っている。知っている上で煽っていく。

服の上から乳首を摘む。

ビクンと跳ね上がる身体が愛おしい。

舌を絡めて掬い上げる、それだけで瞳が潤んでいる。

「誘うの上手になったね、太一さん。でもここじゃ誰かに見られちゃうかもよ?」

まだ、店の中だ。今日は定休日でクローズの札がかかってるから、誰も来ない。誰も来ないけど、店はガラス張りで灯りもついているから、外からは丸見えだろう。

「我慢、出来ねーだろ…、亮…」

甘い声を皮切りに、下半身だけ脱がして背中へと向ける。太一さんを四つん這いにさせ、ローションの代わりになるものと手探りで辺りを探すと、先程チェリーパイで使った残りのさくらんぼのコンポートの入った瓶が指先に当たった。

その蜜を指先に摂ると太一さんの菊門に塗りつけた。

「亮…、なんか気持ち悪い…」

いつもより、ベタベタするので少し違和感があるのかも知れない。ゆっくりと出し入れさせるとコンポートの液体と太一さんの体液が指に絡みつく。

「でもいつもより濡れてるけど」

急に指先が締め付けられた。

誰かに見られてしまうかも知れないという気持ちが昂ぶったのかも知れない。

「太一さん、力抜いて…。って無理か…、ちょっと冷たいけど我慢して」

このままじゃ、指も抜けないし、自身を挿入することも出来ない。でも太一さんも上手く力を抜くことができないらしく、首を横に振る。

冷蔵庫から炭酸水を取り出して太一さんの菊門に振りかける。小さく上がる悲鳴とともに指がぬける。代わりに自身を挿入させた。

緩く腰を動かす、徐々に腰を打ち付けるスピードを速め、相手の様子を伺う。

四つん這いなので顔は見えない。でも小さく喘ぐ声は甘い。顔が見えない分、もっと甘い声が聞きたくて、太一さんの気持ち良い所を執拗に攻め立てて、自身の欲望を吐き出した。

「…あ、えっ…?」

「まだだよ、太一さんの中綺麗にしようね」

自身を引き抜いてその後、炭酸水を太一さんの胎内に注ぎ込む。

「あっ、あっ…やだ、亮っ」

「すげっ、全部、飲み込めたね」

嫌がる太一さんの腹は500mlの炭酸水を全部飲み込んでバンバンだ。

「コンポート使ったからね、トイレまで我慢して」

ペットボトルの口を菊門から引き抜くとキュッと太一さんが締める。ゆっくりと立ち上がらせてトイレへと誘導する。

ポタポタと艶めかしく落ちる雫を眺めてトイレの中で再び再戦を挑む。

今度は太一さんの顔を眺めながら。


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