第6話
「全部、長谷川さん用ですけど?」
木津さんの部屋に戻って、二人で一緒に鍋を作って食べた。先程買った二人分の食器は僕の分だったらしい。とんだ早とちりで知らない人の前で泣いてしまった僕は穴があったら入りたい気分だ。
「一応確認したんですけどね」
どうやら、好きな人と一緒に買い物が出来るということだけで浮かれていたらしい。全然聞いていなかった。
「…んっ、…あ」
近づいてきた木津さんに応えるように顔をあげる。再びの熱いキスにそっと彼の首筋へと腕を回した。舌を絡めてら徐々に徐々に深くなる口付けに身体が熱くなる。夢中で彼の舌を追いかけるように絡ませる。
「我慢出来ない」
耳元で囁かれる言葉に小さく頷く。
僕も我慢出来ない
掠れた声は彼に届いたのだろうか。相手に引かれて寝室へと移動する。ベッドへと横たわると軽いキスが深くなり、一緒に服も脱がされていく。
顕になる度に舌で舐められ全身が震える。
初めて他人に触れられた自分自身の先はすでに硬くなり濡れ始めている。
「あっ、あぁ…」
自分でも驚くぐらいの甘い声が漏れる。
人に触られるのはこんなにも気持ち良いのか、自分でするよりも、大きくもたされる快感に声が揺れると同時に白濁とした自分の欲望を吐き出す。
「…ごめ…、ん、ふ…」
相手の手を汚してしまった事を謝ろうと軽く上半身を起こす。すると、両脚を拡げられて菊門の周りが舌で刺激されていく。まだこの先があること、今までに経験したことがないこと、好きな人からもたされる快楽に抗う事が出来ない。
冷たい液体が菊門を這う。液体が絡んだ木津さんの指先がゆっくりと体内へと侵入してくる。
「痛い?」
「…だい、じょうぶ…」
一本が二本になり、体内を掻き回す。攣られて襲ってくる快感に声をあげる。先程吐き出したばかりなのにまた硬くなり始め、ゆっくりと動き始めた指に息があがる、耐え切れずにキスを求めた。
「…好きです」
「僕も、好き」
掛けられる言葉に今度はちゃんと応えられた。指が抜かれ、その次に身体が少し重くなる。指よりも硬く太い木津さん自身が指の代わりに這入ってくる。思わず相手へと両腕を回す。
「あー…、長谷川さんの中、気持ちいい。痛くない?」
相手の言葉に小さく頷く。髪を掌で撫でてくれるその手の大きさに安心する。
「あっ、…ああん。だめ、いくっ、やっ」
暫く僕の身体を慣らすようにゆっくりと動く腰の動きがだんだんと激しくなっていく。僕を扱く手も激しくなっていくとともに両方からの刺激と気持ち良さで僕の声も大きくなってしまう。声を抑えようと両手で自分の口を抑えようとすると声が聞きたいと止められた。もう、抑制が効かない。大きく息を吐き出し、二人同時に果てた。
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