第23話 仲間
人形とぬいぐるみの間の子が我が家に来た。その子が届く前に、私が興奮冷めぬまま書き留めたものを公開する。
ちいさなおさる。おおきなおさる。
私はよくメルカリを見ている。ただ普段外に出られないのでウィンドウショッピングのように楽しんでいるだけだ。その中で久しぶりに見かけたのが、モンチッチ。
小さい頃にモンチッチを欲しがって却下された、そんな記憶を掘り起こして小さく笑った。今なら自分でこのかわいいいきものを買えると思った。
どんな可愛い子がいるんだろうと、メルカリの検索欄を「モンチッチ」と入力して目を通す。過去の私が知らなかっただけで、様々な種類の子がいた。モンチッチの友達や仲間もいた。あぁ、私がよく見る焦げ茶の子はスタンダードのモンチッチなのね。赤、オレンジ、黄、緑、青、紫。他にも沢山。こんなにカラフルなブランドなのかとひとりごちた。
そして私はとある一体のモンチッチに目が止まる。よく見かけるモンチッチとは違う、黒くてまんまるの目。天然パーマのようにもじゃもじゃした、明るい茶色の毛並み。手のひらに収まるちいさな子。……こんなくそかわちい存在がこの世にいるのか???と、一瞬で語彙力だけが脳内から消し去られた。
(くそかわ=とてもかわいい
ちい=ちいさい
と訳しておこう。)
よくよく調べてみてわかったのが、少なくとも2012年には存在していた子であり、シンジカトウコラボで発売された子だということ。そして8年経った今、プレミアがつき値段が高いということ。普段の私ならここでぐっと堪えて数ヶ月悩み続ける。が……、今回かなり珍しく私は即決してしまった。
ポチー
購入を終えたのはいいが、ずっと何処か既視感がある。ちいさなモンチッチになにか見覚えがある。いや、普通の子達と似てるからと言うよりもっと別の……。
幼い頃、ピューロランドに行った。サンリオのキャラクターたちが溢れる世界。当時の私は、キティちゃんやダニエルくんと写真を撮りたかった。けれど勿論、そのふたりの周りには子供たちや大人が沢山いて近づけなかった。その時、ひらひらと手招きして両手を広げてくれたのが……
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙もんきちいいいいいいいいいい!!!!!!!!この子目がちっちゃいver.のもんきちやん!!!!!!!!!」
記憶を取り出せた私は既視感の理由に気づいてソファの上で転んだ。私の人生で初めての推しキャラ、サンリオはこのキャラが好きと人前でも堂々と言うのが、おさるのもんきちだ。なのに、気に入るグッズがなく一体も我が家にはいないという私にとって異例のキャラでもある。
いざ調べ直してみると、私より6歳歳上なんだなもんきち。いい男になったもんだ(どんな目線だ?) またピューロランドに会いに行きたいなと思った。
今回私は、モンチッチともんきちの両方を1度に迎えるような気分だ。……どうやら元の持ち主は、新品未開封のままコレクションとして仕舞っていたらしいので、果たしてどんな子として我が家で日々を重ねていくのかが楽しみだ。まだ届いてないけど。今日発送されたってよ!ちいさなおさるが台風を乗り越えて我が家に来るのを楽しみにしている。
……この小説をかいた2日後、10/10にモンチッチは我が家に到着したのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます