第14話 逃避

思い出して自暴自棄になりかけている内容を、そのままここに。いつまで引き摺るのか、このどうにもならないむだで無謀な思考を殴りつけてやりたいと自分で思う。



抑えきれない気持ちを涙のひとしずくにしたためて枕の上に落とした。感情に名前をつけられないまま、これを抑える方法を当時の私は知らない。



迂闊に思い出してため息をつく。まだ、彼から思いもよらぬ告白を受ける前の事。何度忘れようとしてもまだ脳にはこびり付いている。


自分はあの人を愛していると豪語していた。博識で、力もあり、仲間を愛しているあの人を大切にしたいと自分では思っていた。その為に、今いる家を離れる覚悟も決めていた。あの人が成人したら、そうしようと。


けれど、愛されてなどいなかったんだなぁと今は思う。ただの何の変哲もない一個人として、情けをかけられていたにすぎない。むしろ気を使わせた。愛しく思う人間の一番が欲しかった当時の私からすると、かなり辛かったけれど。人間不信のあの人が、そもそも会って間もない人間を信用する方が難しいだろう。



向こうには初恋の相手がいて。

あの人は、その初恋の子は自分にはふさわしくないと思っていて。

しかし共寝する程に関係性は深く親密で。


傷ついたけれどそれよりも「ああ、やはり元から釣り合わないことが、恋人でないことが正解だった」と腑に落ちた。


恋人とはアクセサリーのように扱われるものなのか?というような内容のことを、あの人は言っていたらしい。正直私からすると、こんなすごい人だったらもっと人間関係を広げていけたら多方面で羽を伸ばせるとそう思っていたのに。大切で、自分のことよりも誇って周りに知らせたくて奔走していたに過ぎない。結局私のエゴでしかないんだろうが。


そうしてどうにか紹介しようとして呼び方を思案して、私の相方、「私の」というように。あれは結局間違いだったのかと今でも悩み続けている。


自分でも反吐が出るほど、私は独占欲や嫉妬が強い。ヤンデレやメンヘラという言葉があるが、おそらくばっちり該当する。私がずっと悩んでいたのは、自分のそれらが何度も青い炎のように揺らいでいたこと。そして、これはおそらく本人に相談したとて何も変わらないこと。


あの人は、幼馴染もしくは親友達が最優先だったから。これは、変えられない事だと私は知っていた。大切な事項だと理性は判断した。でも、いつまでたっても感情が追いつかなかった。親友とはなんぞや?と思う程に親密なものを何と呼ぶのか。そんな深い関係性自体持つことは無かった私は全く知らない。


当時の私に言いたい。

価値観や思考が根本的に違いすぎるからやめろと。



グダグダ書いているが、今の私は幸せと言える。理由はまた詳しくどこかでかきたい。

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