第6話



灰羽がもそもそと巣の奥で眠っている。



その様子を見ながら、紅羽は爪先で壁になにかを描いている。


白羽がぱたぱたと近づいてきて、隣に舞い降りながら首を傾げた。



『あかばね、なにをかいているの?』


「ハイバネだよ、ほら、」


『……まるい』


「丸まってるから」


『顔は?』


「見てご覧、隠れてるだろ?かけないよ」



紅羽と白羽は、ふたりで目を見合わせてきゃらきゃらと笑った。



その後、灰羽が寝言で紅羽を呼んでいる声に気づいてふたりはさらに大笑いをしていた。


今日も寒いけれど、洞窟の中はあたたかい。

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