婚約破棄される前にこっちから婚約破棄してあげますわね

第1話 婚約破棄される前に婚約破棄してあげるわね

私には冴羽陸人というイケメン御曹司の恋人がいるのですけれど、

恋人は恋人なんですが、御曹司という事もあって

なかなか会える機会が少ないのと、会っても私の事を

ぜんぜん見てくれなくて恋人なのかなって思う時があります。

しかし、ある日、冴羽陸人が私に尽くしてくれるようになると

恋人関係以上の状態となりまして、私から将来は婚約しましょうと

言いますと、冴羽陸人からも良いお返事がもらえて本当に嬉しかったのです。

それからというもの、お互い会える時は会って一緒にデートしたり、お食事に

行ったりと楽しく過ごしているのでした。

ただし、それも短期間ですぐに冷めた関係となるのですけれど、

それでも私と冴羽陸人とのお付き合いは続いている。

そんな時、冴羽陸人から婚約破棄のお話を持ちかけられますが、

私は断りました。

理由はせっかく大好きな人と巡り合えたのに別れるというのは

本当に困るし、寂しい思いをするので嫌でした。

月日が流れると冴羽陸人が私の住んでいる家に訪ねてくるのです。

訪ねてくるのはいいけれど、きっとお話は婚約破棄のお話だと思うので

私はそれを察して私から婚約破棄したいという事を伝えます。

そうすると、冴羽陸人はびっくりしている顔をしてて私は心の中で

笑っていますが、それがとても愉快でした。

御曹司である冴羽陸人から婚約破棄されるくらいなら、私から

婚約破棄してあげた方が相手も驚く事でしょう。

結果、私から婚約破棄してあげたので冴羽陸人からは喜ばれているというか、

嬉しがっているというか、なぜか感謝されています。

どうして感謝されているのかは知りませんが、婚約破棄出来たという事は

私にとって最高な気分なので何も言う事はございません。

これで私の恋愛はここで一旦、終わってしまうけれど、それでも後悔は

していませんし、冴羽陸人と別れる事が出来てスッキリしています。

婚約破棄のお話が終わると、冴羽陸人は帰宅して私は家の中へ入ると

悲しい思いになる所か、むしろ嬉しい気持ちの方が強いです。

これからは私に釣り合う男性とお付き合いした方がいいので

そこらへんを間違わないようにしたいと考えています。

間違ってしまうと今回みたいに婚約破棄に繋がるのでそれだけは

避けないといけません。

私も幸せになって結婚して良い夫婦になるのが目標です。

そういう風に目標を持っていればいつかは幸せになれると信じるのみです。

絶対に幸せになって幸せな一時を手に入れるだけです。