第7話 戦闘と気掛かり

 街に出ると逃げ惑う人々の姿が映し出された。その人達と逆の方に進んで行く。あまり被害は広がっていないことを願いながら全速力で走る。着いた時には地元警察隊との交戦が始まっていた。

「なんだこの数!?」

思っていたよりはるかに多い。軽く数えてウルフ型C級モンスターが30匹はいる。

「立花自衛業、今から支援に入る」

「この地域から一般人は避難してもらった、こいつらを黙らすのに手伝ってくれ!」

「「「了解」」」

そう言って愛銃を構える。二人も構えた。

「各自攻撃を開始せよ」

「「了解」」

二人はそれぞれ違うタイプの戦い方をしている。ミナズキは動くのが早い、それ故に近くまで行き攻撃した方がやりやすいということで、サブマシンガンを持たせた。それとは逆にあずきは止まってないと当たらない、それは逆に言えば止まっていれば当たると言うこと、だからスナイパーライフルでの援護を中心にやっている。自分は元はソロだったと言うこともありオールラウンダー。


「疲れた〜」

「あずき 大丈夫?」

なんとか群れを全滅させ残党の確認がてら街の中を歩いていた。

「もおーむりー。翔夢偉おんぶー」

「やだよ重たい」

「あ?」

「っ!ほ…ほら他にも人がいるわけだし」

えっ、何今の殺意。単純に怖いんですけど。

「楽できるなら構わない」

「おい」

「私がしてあげましょうか?」

「いや、やめとく」

流石に自分より小さい子にして貰うのは思う所があるようだ。

 しかし何故あれほどの数のモンスターが湧いていたのだ?繁殖期...にしては多い気がしなくも無いが繁殖に関しては全く解明されていないからわかるはずもない。突如各地に現れ、現れる所を誰も確認できていないのだ、解明しようにもできないのだ。それではなんだ。何がモンスター達を集め動かし攻撃をした?何か嫌な予感がする。

「今日のご飯はなんだろな〜」

あずきの声によって思考の海から引き上げられる。今考えても仕方がない。明日にでも研究所に寄って話してみるかな。

「ご協力感謝いたします」

警察隊の隊長と思わしき人物に話しかけられる。

「いえ、当然のことをしたまでです」

マニュアルの様な、かつ3人ともが思っているであろう言葉を発する。

「この様な事態は以前からあるんですか?」

少し気になっていた、やけに避難から攻撃態勢への移行がかなりスムーズに行えていたのが慣れからかと。

「そうですね、ここの所モンスターによる襲撃が増えた気もします。が、この規模の襲撃は初めてでしたね」

なるほど、手順だけならどんな規模でも対応は同じと言うことか。しかし襲撃が増え、規模も大きくなっていると言うのは気になる。

「翔夢偉〜。そろそろ帰ろ〜よ〜。私お腹すいた〜」

ふとあずきの声。また考えすぎていた様だ。

「そうだな、今日はもう帰ろう。それではお先に...っと何か異変があればこちらに連絡していただくと助かります」

名刺を差し出しながらそう言うと快くとはいかずとも受け取ってくれた。普段はやらないが、今回ばかりは何か気になった。

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