第17話C・マジック
「君、能対課じゃないね?データには載っていなかった」
「だったらなんだ」
おもちゃを見つけたような嬉しそうな表情は逆に胡散臭く見えてしまう。圭は警戒してデスクを挟んで距離を取った。
「君は『
「こんな場で勧誘か?」
「まあ、そんなところだね」
少年は肩を竦め同情するよと鼻で笑う。少年は能対課の野良の扱いを知っていた。そこをついてわざわざ勧誘してきたのだ。ずいぶん自信があるらしい。
「君の他にもう一人協力者がいただろう?彼女は快く乗ってくれた」
「能対課とぶつかっていた間によく乗ったもんだ」
「違うよ。能対課を黙らせてから勧誘したんだ」
「……」
彼ら五人がやられたという意味だろう。プライドは高いが、実力は確かだったはずだ。それを短時間で仕留めることができたらしい。強いことは間違いない。
圭の中で警戒のレベルが上がる。
「最初の攻撃は君だろ?素晴らしい陽動だった。あんな無能どものせいで消すには惜しい」
「メリットがあったから協力しただけだ」
「そうか、そうか。なら僕たちの側につく気はないのかい?」
「……」
「無言は肯定、良かった。仲間を殺してしまうのは心苦しいからね」
殺す、と言いながら少年は何もしてこない。その間に圭は頭を回す。時間稼ぎをしていたということは、なんらかの魔術か能力を使ったはずだ。
「そうだ。僕の名を教えてなかったね。僕はハザマ。よろしく」
「姓はないのか」
「ない。コードネームみたいなものかな。それより、そろそろ効いてきたんじゃない?」
何を?と聞き返す前に、圭の身体はぐらついた。
唐突に頭痛、めまいが襲い始め、嘔吐する。胃に何も入っていなかった吐瀉物は、酸の匂いを発していた。
「な、何を……」
「ん?秘密」
思考が低下する中、反射的に圭は魔術を唱えた。
「『治れ』」
頭が淡く光り、圭の思考は一瞬クリアになる。だが、すぐに再び思考は鈍る。体も重くなってきた。
「『治れ』」
今度は頭と胸の両方が光る。考えられるのは毒。効果が出るまで待ったということは、おそらくガスだろうと考えたのだ。
身体はまた重くなる。しかし、その前に圭は炎の魔術で天井を突き破った。
そして、再度唱える。
「炎?なんで……」
「『治れ』……ふぅ」
圭は能力には制限もあることを知っている。魔術への干渉は、能力ではできない。
毒ガスだと判断した圭はダメージを受けたと予想される肺を治し、同時に思考に必要な頭の症状も治した。
そして風穴開けた天井から風の魔術で外の空気を取り込んだのである。
足はガクガクと震えているが、闘志を燃やした目でハザマを睨む。
「『治れ』。毒ガスか、厄介な……」
圭は後ろの壁に持たれ込み、三度ノックした。すると、壁は崩れ円状に穴を開け、ボロボロと木屑が五階から下へと落ちていく。
そのままフラフラと体重を傾け、15mのフリーフォールを敢行した。
「よくわからないけど、自殺?」
ハザマにはなぜ圭が敢えて下に落ちたのかがさっぱり理解できず、砕かれた壁から下を覗き込んだ。
そこには、先ほどの足取りが嘘のように機敏に動く圭の姿があった。
窓は割れ壁もズタズタだが室内だ、ガスは溜まる。それを分かっている圭は、その場にいた能対課五人を外へ蹴飛ばしていた。
「まさか、気付かれた?」
圭の様子を見たハザマは、部屋を飛び出し階段を降りていく。能力者は鍛えれば身体は強くなるが、魔術師と違い身体を頑強にするにはその方向の鍛錬が必要になる。身体は十分に耐えるだろうが、ハザマにはフリーフォールをする勇気はなかったらしい。
急いでエントランスまで降りてくると、そこは血と人に塗れた惨状があった。
その中心に圭は立つ。この惨状を作り出したのは圭でもハザマでもない。しかし、飛び散った血が少しだけかかった圭の姿は、鬼神か何かを想像させるほどにオーラがあった。
「ハザマ、ひとつ聞く。琴桐楓を狙うのはなぜだ?」
「琴桐楓?ああ、彼女か」
ハザマは血溜まりに音を立てて踏み込む。10人近い死体が転がっているのだが、それらを一切気にしていないようだった。
「僕は興味ないけど、ボスが好きらしいんだ。欲しいって。そうか、君は楓ちゃんの護衛か!」
「ということは、今後も襲うのか?」
「いや、どうだろう。狙いやすいから狙ったけど、今は状況が違う。コストパフォーマンスも悪いしこの拠点ももうムリだから、しばらくはないんじゃない?
まあ、君が護衛していればの話だけどね」
素人な構えをハザマは取った。自信がある様子を見せるハザマには、まだ他にもできることがあるのだろう。そう予測して、圭は武器を取る。
持ったのは剣。この世界で初めてまともに持った武器を、圭は二本の指で作った輪に通す。すると、剣は赤く光り、通りそうもない指の穴を形を変えて通り抜けていく。
一通りその作業が終わった頃には、剣だったものは鉄の棒になっていた。
「棒?剣の方が良かったんじゃない?」
「これで十分だ」
くるくる回った鉄棒は、床に叩きつけられ鈍い音を出して動きを止める。それを見納めて、ハザマは両手を上に上げた。
「『
上を見ると、あらゆる方向の壁からメキメキと宝石のような輝きを持つ杭が出てくる。すべて、圭の方に向けられていた。
「死んじゃえ」
ハザマの手がギュッと握られると同時に、中心にいる圭に向かって一気に加速し襲いかかる。それを予測していた圭は、鉄棒を床に突き刺した。
「『鉄傘』」
魔術が唱えられると鉄棒が上端から一気に広がり、ドーム状に圭を覆う。その直後に石と金属がぶつかり合う音が館に響いた。
すぐにきらめく杭の猛襲が終わり、圭が作ったドームも元の形に収束し、元の鉄棒に戻った。圭の周りには、きらびやかな破片が飛び散っていた。
「……炭素か?」
「チッ、バレたか」
あっさりカマかけに引っ掛かったハザマが舌打ちする。他の可能性もたくさんあったが、誰もが最も考えそうな予想をしてみた。
最初のガスは一酸化炭素。炭素を操り強引に作成した。そのためすぐに中毒症状が現れた。先ほどの鉱石はダイヤモンド。
実に小中学生が考えそうな「さいきょうののうりょく」の一つだ。
だが、こういう予想は大抵は、一番最初に思いついたものが正解。
だが、能力が分かったからといって勝てるとは限らない。
「ならさっきのはダイヤモンドか。またしょーもない……」
「あたりだよ。僕の能力は『
砕けて落ちたダイヤが浮かぶ。今度は圭に向かうのではなく、圭を中心に渦巻くように飛ぶ。ただの杭ではなく永続性がある刃のため、鉄傘では防戦一方になる。
「魔術師をナメんな」
圭を中心に別の風の渦が現れ、拡大することによってダイヤモンドを巻き込み吹き飛ばした。
魔力に妨害された能力は力を発揮しにくい。圭に向かって平行に飛んだ金剛の刃は、勢いを落とさずに壁へと突き刺さる。
それを見て驚くハザマに向かって距離を詰め、圭は鉄棒を振り下ろした。
「おっと、危ない」
唐突に棒を塞ぐように生えてきた柱が、圭の侵攻を妨げる。ハザマが足を鳴らすと、それに合わせて圭に直撃するように二つ目の柱が生えた。
直感的に黒鉛と判断したが、すぐに違うと悟った。
全て黒い色だが、圭が知るカーボンはこんなに硬くないはずだ。邪魔に思い燃やそうと炎を当てるが、燃える気配は全くない。
生えた柱を手に取ったハザマは、圭がやったように手を当てて、棒から剣を作り出す。そして黒柱を何本も出現させながら素人な剣を振り回して圭を追いつめていく。
「くそっ、柱が邪魔だ……」
「邪魔してるんだよ、ね!」
ハザマの振り下ろしを棒で咄嗟に防ぐが、黒い剣はあっさりと棒を切り飛ばす。そのまま圭の身体にまで到達した剣は、皮膚を切り腕を深くえぐり、赤い血を飛び散らせた。
ハザマは圭に一撃が通ると、愛おしそうに血を拭いとり手を止めた。少年のような姿では用意には想像できない絵面だ。
ハザマは余裕を見せながら再び圭に斬りかかり、生えてくる柱は一切止まる気配を見せずに何本も圭に襲いかかる。
おかげでこちらから攻め入る隙がない。油断すると飛び出る柱に串刺し、かといって避けて攻撃しようとすると、黒柱とともに素人の剣が圭に迫る。棒では防げないおかげで、圭は満足に攻撃できなかった。
「自分の実力に溺れる馬鹿ほどすぐに死ぬ。でも、護衛くんは学園卒とは違うみたいだ」
「神城学園にでも恨みがあんのか?っく、ちっ」
「あるさ!エリート気取りの奴らは野良を見下し見殺しにする!自分たちはこうもあっさり死ぬのにさ」
ハザマは手を大きく広げて叫んだ。神城学園には通ってなかったのだろう。圭よりも歳下に見えるし、
「あんな屑ども、どうだっていいさ」
「くそっ、止まんねえ」
「ふふふ、いいよ。もっと踊れ。もっと避けるんだ」
黒柱は床だけではなく壁や天井からも突き出てくる。圭が避ければ避けるほど黒柱は溜まっていくせいで、エントランスはもはや密林。ジワジワと移動できる空間が減っていっている。
そして、この空間においてハザマは黒柱を操ることができる。
地の利は向こうにあった。
「『
黒柱は、一気に全方位に刺を生み出した。
室内に逃げ場はなく、圧倒的物量によって圭にも刺が突き刺さる。
その強さは黒柱と同等。靭性もあり折れる気配もないし、燃やそうとしても燃えることもない。
「ぐぅっ……」
あらゆる方向に現れた刺は、圭の腕へ、足へ、腹へ、何本も射抜き、まるで糸の絡まったマリオネットのように圭の身体は宙に縫い付けられた。
唯一躱せた頭だけが無傷で、それ以外の全ての場所から血が吹き出していた。
「う、うぐぅ……ナノチューブか、なんかか……」
「大当たり。返しがついてるから外れないよ」
回復はできない。このまま回復すると身体が黒刺と完全に癒着する。そうすると回復効率は一気に落ちてしまう。
カーボンナノチューブは非常に軽量、かつ鉄鋼の数十倍の強度。耐熱、対低温も十分。靭性も併せ持つためダイヤモンドのように割れることもない。
炭素単体で作れるハイスペックマテリアルには、圭の魔術も思うように通用しなかった。
圭とハザマの直線上の黒柱が崩れる。一直線になった道を走り。動きを止められた圭を、黒柱の剣を携えたハザマが素人の構えで躍りかかる。
「今度こそ、死んじゃえ!」
「くそっ……ォラァッ!」
「っ、いったぁ!」
僅かに動く身体を総動員して、圭は鉄棒を回してハザマの手を振り払う。手の甲に当たった痛みのおかげで、振り下ろされそうになった黒い剣はハザマの手から離れ、僅かに圭を逸れていった。
首だけ回して先を見ると、その先には投げだされた剣が、野菜でも切るようにスパスパと切り進んでいくのが見えた。
「なんだあれは……刃物のレベルを超えてるぞ…………」
この黒柱は、圭が焼いても燃えず、叩いても折れないくらいには強靭なはずなのだ。もちろん刺突も試したが、ほとんど傷はつけられなかった。
それを触れるだけであっさりと切り飛ばすハザマの剣は、異常すぎる。
あれが当たっていれば、どんなに身体強化をしようとも真っ二つなのは間違いない。その惨劇を想像して背筋が凍りつきそうになった。
だが、この状況をどうにかする方法はあった。
「くそー、次こそ!」
あっさりと新たな剣を作り出し、素人の動きで振りかぶるハザマを前に目を瞑り、痛みに耐えて起死回生の一手を展開した。
「『雷よ』……『重ねろ』……『迸れ』!」
「っ!?」
圭の目の前に現れた両手大の魔法陣は、二つめの言葉で人を覆うほどの大きさに拡張される。三つめの言葉は。人三人分以上の大きさに魔法陣を拡張した。
そして、赤く輝く魔法陣から現れた紫電は、黒柱を一気に駆け抜けた。
バチバチと青白い光がたまに現れるエントランスは、天井から床まで発火していた。カーボンナノチューブを踏んでいたハザマも感電し、フラフラとバランスが取れないまま前へと歩いていた。
炭素は電気をよく通す。大量の電流は絶縁体を食い破り、館に使われていた素材である木を強引に発火させた。
エントランスはおろか、この洋館全てが燃え始めている。崩れるのももはや時間の問題だ。
外に放り出した能対課の面々は生きているだろうが、捕縛されて転がっていた闇騎士たちはおそらく全員黒焦げ、即死だろう。
捕縛されていた半分は黒柱によって貫かれ、残りはこの大魔術に耐えられるほどの身体を持っていない。
ハザマはまだ生きていた。能力を鍛えていたからこそ、付随して丈夫になった身体が感電を耐え切ったのだろう。
とはいえ、感電したことはまちがいなく、意識が朦朧としている様子だった。
同時に、無差別攻撃は圭にも傷を与えていた。身体強化をうまく使ったためダメージは少なかったが、身体は少ししびれている。
そしていまだに、圭は棘に囚われたままだった。
「はぁ、はぁ……三つは、消耗が大きい……やむを得なかったとはいえ、……ゔぅっ、づぁっ!」
ハザマの様子を窺いながら刺さっていた刺から腕を強引に抜き、流れ出た血を無視して治していく。
三詠唱の魔術、何回も使用させられた治癒魔術。これらはごっそり圭の魔力を奪っていた。
だが、それを代償にして、圭は燃える地に降り立った。服は血みどろでいたるところが破けているが、足取りはまだしっかりしている。大して温度の高くない炎は身体強化で耐えられる。
そして視線を、火に包まれつつあるハザマに向ける。
彼の方が、見た目のダメージは大きかった。
「ぁ……う……」
無意識のうちに能力を使っているのか、体は燃えてはいない。炎に包まれているもう崩れそうな壁に手を当て、もう片方の手で頭を抑えていた。
「く……そっ、っ!」
ギロリとハザマの目が光る。お互いの目が合った。それは一切そらされることはない。
「驚いたよ……ここまで、とはね……」
「ふぅっ、ふぅっ、……そっちこそ」
「……だけど、この勝負は……僕の勝ちだ」
足を大きく開き、両手を上に上げる。その動作は弱々しく、指で押しただけで倒れそうだった。
「集まれ……」
燃えた館が、壁が、ハザマの方へと崩れ落ちる。それらが絶妙な加減で重なり合い、ハザマの周りにシェルターを作った。燃える炎の中心で、呟く。
「『
燃え続ける炎は生き物のように収束し赤い死神を作り上げる。
炭素を操る能力とは思えない技は、燃える館全てを支配下に置いていた。
「『水よ』」
圭が大水球を正面に放つが、シェルターに届く前に熱によって全て蒸発する。
「『氷よ』……マジかよ」
氷も昇華して霧にすらならない。シェルターの中の温度が高すぎるのだ。熱のせいで圭にはハザマの姿が歪んで見えた。
「……死ね」
ハザマの声に合わせて、死神は圭に鎌を振り下ろした。それを飛び退いて躱し驚く。
燃える鎌は、館の床が崩れるどころか、地面まで溶けるように赤く熱を帯びている。
その熱量は館だけにとどまらず周囲の樹々にも飛び火し、山火事を起こし始めた。
しかも、ハザマの死神はそれらを自らの糧とし、より大きくなっていく。
「早めに決めないと……どうする……」
炎の鎌の直撃すれすれで水を出し、それを緩衝材代わりにしてなんとか避ける。簡単に避けられるほどの余裕はない。全てが一撃必殺、油断していると一瞬で殺されてしまう。
避けつつも、圭の身体はジリジリと後ろに下がる。下がらざるを得ない。あまりにも熱量が多すぎて、身体強化をしても耐えられないのだ。
一歩、また一歩と後ろに下がると、その足が柔らかい何かを踏んだ。
「おぶっ!……んぁ?」
「か、葛西さん!」
「おう、みた……うおぉぉぉおっ!!」
踏んだのは葛西だった。
意識を覚醒させた葛西は、目の前に立つ圭に声をかけようとして、その後ろに迫る炎の死神を見て、素っ頓狂な声をあげて転げて遠ざかった。
そして、尋常ではない熱さに、自分たちが凄まじい熱量で焼き尽くされそうなことに気がついた。
「葛西さん、そこの能対課の人を連れて逃げてください」
「お、おい……?」
「早く!」
「お、おう!」
怒鳴る圭に驚いた葛西は、明らかにやばい状況を把握し、すぐに残りの四人を抱えて脱兎の如く逃げ出す。その速さはさすがと言うべきものだった。
後ろを見て邪魔な人たちが逃げたのを確認した圭は、その場にゆっくりと腰を下ろした。
死神の熱は地面を伝わり圭の下半身を焦がしていく。だが、その程度の熱量で、圭を止めることはできない。
「……諦めたの?」
ハザマが声を出す。逃げていく能対課には見向きもしない。炎の熱量によって歪んだ顔を、さらに歪ませた。
「いや、違う。彼らにこの魔術は見せたくないさ」
「そう」
紅い鎌が振り上げられる。それに合わせて、あぐらをかいた圭は両手を地面につけた。
「『大地よ』」
直径20cm程度の魔法陣が
「『迫り上がれ』」
炎に必要なのは、可燃物と酸素。酸素をなくせば
おそらくこの魔術を使えば、魔力はすっからかんだ。これでも倒せなければどうしようもない。悪いけど、大地そのものを利用させてもらおう。
「『潰せ』!!」
直径5mを越えるであろう魔法陣は、赤い輝きを放ち大地を揺り動かした。揺れた地面は隆起を起こし、木を根こそぎ倒してそれらより高い位置まで、大きく迫り上がった。
その大きさは、ボロボロになる前の館の何倍もある。炎の死神がちっぽけに見えるほどの、山のようなにまで成長していった。
そして、とてつもない大土壁が完成すると、再び大地を揺らし、炎の死神を押し潰そうと中心へ動き始めた。
「終わりだ」
「させるか!」
ハザマが叫ぶと、死神が鎌を振り回し土を熱で刈り取った。溶けた土は斬られた口の部分だけ外側へ流れ出るが、圧倒的な物量の前には無意味。ハザマの攻撃では阻止できない。
「なんだよこれ!くそっ、ふざけんなよ!」
死神の鎌が宙を舞い、大地の壁を刈り取ろうともがくも、ジワジワとその物量が土の溶解を無視して押し込んでいく。溶けて液状になった土は、冷え固まって新たな大地として死神を襲う。
抵抗を続けるが怒涛の大地の波は収まることはなく、ハザマの
「くそっ……くそぉ……く……」
そして、ハザマの声が聞こえなくなったところで、大地は大きな山を残して静止した。
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