Message to ...
過去、考えられないような醜態を晒した。それでも、我を通すことを止めなかった。それが或る意味でこの上なく愚かな行為だとは分かっていた。
あの時。千鳥が仮面を拒んだとしても、辰哉は願いを放棄しなかっただろう。千鳥以外の別の誰かとペアを組む事になったとしても、それは受け入れた。
しかし辰哉は、千鳥が離れてく事はないと思っていた。彼が許す限り、辰哉は千鳥を己の武器として揮い続けるだろう。
そして、彼が当たり前のようにそれを許す事を、心のどこかで信じ切っていた。
傲慢だという自覚はある。けれど千鳥は、そんな辰哉をも許容して笑うのだ。
千鳥が本心で何を望み、辰哉と共に在るのか。面と向かって聞いたことは無かった。改めて聞くには辰哉のプライドが邪魔をする。
だから、せめて。今の辰哉から、千鳥に向けて言葉に出来る事があるのなら。
「俺と共に居てくれ、千鳥」
白い花菖蒲の意志 ゆたか@水音 豊 @bell_trpg
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます