第8話 ギャルの決意

いつの間にか眠ってしまっていた。

頭痛がまだ少し残る中、私は目を覚ました。

どれくらい寝たのだろうか。

外はもう暗くなっている。

少しふらつきながら部屋の外に出るとリビングの明かりがついていた。


「竜太郎帰ってるの?」

「あ、姉貴。大丈夫なのか?」

「うん。久々に例の症状が出て途中で帰宅したのよ」

「そうか。で、もう大丈夫なのか?何か食べるか?」

「ふふ うちの弟は優しいのね。もう大丈夫よ。食事は何かあれば少し食べたいかな」


弟は、不良っぽい恰好をしているけど優しい。

こんな私の話もきちんと聞いてくれるしアドバイスもくれる。

私には出来すぎた弟だ。

とテーブルを見ると学校からの配布物があった。


「これ3年生の配布物よね。誰か来たの?」


と竜太郎は少しばつが悪そうな顔をして


「小山内先輩がお見舞いに来てくれた」


とまさかの発言をした。


「お おしゃにゃいくんが・・・なんで、どうして、いつ!」

「落ち着け姉貴!」


不覚。取り乱してしまったわ。


「でも、どうして、クラスも違うのに」

「あ あっさり普通に復活したな。姉貴と話がしたくてC組に行ったときに休みの事を聞いて配布物持ってくの頼まれたらしいぜ」

「そ そうなの。で、何か言ってた?」

「あぁ。明日学校来れたら少し話したいって。小山内先輩って昔図書館で会ってた姉貴の友達だったんだな。最初は気が付かなかったみたいだけど、そのことでで話しがしたかったみたいだぜ」

「あ・・・・小山内君気付いたんだ・・・・」


じゃぁあの時、告白の返事しないで居なくなったことも。

私が少し暗い顔をしてしまったからだろうか、竜太郎が心配そうに声を掛けてきた。


「大丈夫か?先輩とは仲良かったんだよな?最近も色々とアプローチしてたみたいだし。それとも喧嘩別れとかしてたのか?」

「うん。大丈夫。彼は悪くないのよ。一方的に私が悪いの。だからどう話していいのか」

「・・・普通に話しすればいいんじゃないか?変にキャラ作らないで素の姉貴で話しすれば。何があったか知らないけど先輩見てた限り悪い感情を持ってる様には見えなかったぜ。姉貴、先輩の事が好きなんだろ?」

「・・・・・」(私の事恨んでないのかな。。嫌いになってないのかな。。)


「変に緊張するとまた具合が悪くなるかもしれないし少しリラックスしてな。恩田先輩含めて大切な友達なんだろ」

「・・・うん。私は小山内君が好き!智花ちゃんも。明日頑張ってみるよ!」


そうだ。いつまでも内にこもっていても駄目だ。

あの日、小山内君に告白された日から踏み出さないと。


そう。そして小山内君と恋人同士になって残りの高校生活を楽しまなきゃ。

『デートはやっぱり図書館かな。それから本屋巡りして、あ、映画とかも良いかな・・・んふふ』


「あ 姉貴。今度は何だか顔がニヤけてるけど大丈夫か?」

「んふふぅ~」

『小山内先輩。姉貴はやっぱりヤバい人かもしれないです。ごめんなさい!』


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