第3話 思い出したかも
今日もまた昼休みにギャル風美少女がやってきた。
「私の事覚えてる?」
「え〜と 梶さんだよね」
流石に昨日会ったばっかりだしね。
「名前で呼んで」
「え?」
「な・ま・え」
何だか断ることを許さぬ勢いがある・・・
というか目つきが怖いぞ。
「れ 麗香さん」
「ん よ よろしい」
自分で言っておきながら少し照れてるように見える。
何だろうこのやり取り。
「でさぁ昨日の件だけど・・・」
「はい」
「あたしは・・・・・なんだけど、あんた・・・・どうなの?」
「え? 」
ところどころ声が小さくてよく聞こえない。。。
「うぅ~だからぁ美少女の私が話しかけてあげてるのにどういうこと?」
(あぁ~もうどうしたらいいのよ)
「と言われも・・・」
あぁ~絡みづらい。。。何だか梶さん少し涙目だし。
「あれ〜珍しい組み合わせ〜」
「よ!オサゲンどうした?」
と小宮と恩田さんが近づいてきた。
「と 智香ちゃん・・・・」
「や 麗香ちゃん! 何だか久々だね!元気してた? というか珍しい組み合わせだけど麗香ちゃんってオサゲン君と知り合いだったの?」
「オサゲン?」
「あぁ"オサない ゲン"でオサゲンだよ。別に小山内君が渋谷系とかそういう意味では無いよ♪」
「そ そうなんだ・・・じゃ私は教室戻るね!」
「あっ麗香ちゃん・・・・」
と何やら恩田さんを避けるかの様に慌てて教室に戻って行ってしまった。
「ん?小宮や恩田さんって梶さんと知り合いなの?」
「うん。私は幼稚園からの幼友達だよ」
「そうなんだ」
それは意外な。
昨日恩田さんの名前出したらキレ気味だったから仲悪いのかと思ってたわ。
「うん。ただ、高校に入ってから何だか避けられてるというか、ちょっと疎遠な感じで・・・あんまり口もきいてないんだ。
麗香ちゃんも中学までは、あんなギャル風じゃなくて、おとなしい子だったんだけどね。
あ、で、オサゲン君は麗香ちゃんとどういう関係なの?仲良さそうだったけど。もしかして付き合ってるとか?」
「・・・・・それは俺が聞きたい」
「「え?」」
まぁ驚くはな。。。
とりあえず、昨日からの経緯と朝の梶弟の話しをした。
「麗香ちゃんがオサゲン君の事をねぇ〜」
「昨日が初対面だと思うんだけど、わけわからんでしょ?」
「確かにわからんな・・・初対面なら好きになる要素ないしな。本当は気が付いてないだけでどこかで会ってたりするんじゃないか?」
と小宮。確かにそうかもしれないけど梶さんっていろんな意味で目立つし、会ってたら忘れないと思うんだよな。
「あ!そういえばオサゲン君って本とか読むの好きだよね」
「本?あぁ好きだけどそれがどうかした?」
「麗香ってさっきも言った通り中学の頃は雰囲気が全然違ったんだけど、 本読むのが好きでよく図書館に通ってたんだよ。
今も本は好きなはずだしオサゲン君とも図書館とかで会ったとかってない?」
「う~ん。確かに図書館は時々行くけど彼女目立つし会ってたら忘れないと 思うんだよな」
と恩田さんがスマホを操作して1枚の写真を見せてきた。
「これ私と麗香ちゃんが中学入学の時の写真。今と全然違うでしょ?」
写真には元気いっぱいって感じの恩田さんと黒髪に三つ編みのおとなしそうな女の子が写っていた。
確かに今の姿とは全然違う・・・って、えっこの子
「恩田さん。この三つ編みの子が梶さんなの?」
「うん。そうだよ。今と全然違うでしょ」
「・・・・会ったことある」
「えっ やっぱり会った事あるの?」
「うん。小学生の時に川野辺の図書館で会ったことがある・・・と思う」
「確かに川野辺の図書館ってこの辺りじゃ一番大きいしね」
そう。多分梶さんは僕が初めて好きになった女の子だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます