第6話 ツンデレさん

週明けから清水は学校に復帰した。

当面朝練は欠席するけど、放課後の部活は皆と別メニューながらも参加するそうだ。というか、また可愛い子を連れてるけど誰だ?


「心配かけました。今日から復帰させていただきます!」


と清水。その後を受けコーチが話しだした。


「しばらく清水は別メニューだが、清水のリハビリの手伝いとして1年の浜野さんにも当面部活に参加してもらう。

 浜野さんは、川北中のキャプテンとして活躍していたが、交通事故の影響で選手は引退した。

 その時のリハビリ経験を活かしたいと申し出てくれた。じゃあ浜野さん」

「はい。1年D組の浜野美玖です。料理部に所属してますが、少しでも自分の経験が活かせればと清水君にお願いしました。リハビリメニューは病院の先生と一緒に考えてますので、もしかしたら協力をお願いすることも出てくると思いますが、その際はよろしくお願いします」


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練習が終わり松葉杖で歩く清水に歩幅をあわせて帰宅。

浜野さんも一緒だ。


「どうだリハビリは?」

「う~ん。まだ始めたばかりだからな。

 正直思う様に足が動かないし、痛みもあるけど今は頑張るしかないからな」

「とはいっても無理はするなよ」


「二人とも仲が良いんですね」


と浜野さん。


「清水は俺にとってライバルだからな。

 早く全快して復帰してもらわないと張り合いがないからな」

「言ってくれるな。俺の方が負け越してるんだ。早く復帰して今度こそ勝ち越してやるよ」

「ふふ 何だかいいなぁライバル関係とか」


「清水く~ん」

「おう村田、小早川」


校門のところに村田と小早川が居た。清水を待ってたんだろう。

それにしても浜野さん含め何で清水はこんなにモテるんだ?

美少女3人連れて帰宅とかどこのハーレム設定だよ・・・

あ、そうだ村田が居るなら俺は先に帰った方がいいな。


「じゃ清水、俺先に変えるから、また明日な」


と村田達の横を通り過ぎようとしたところ


「ま 待ちなさいよ」


と村田に鞄を捕まれた。

「待ってたんだから い 一緒に帰りなさいよ・・・」

「えっ俺?俺を待ってたの?」


と耳まで真っ赤にしながら首を縦に振る村田。『何だ?何かの罠か?いつも以上に意味が分からないぞ』


「村田は、福島に興味があるんだってさ」

「え?」(何どういうこと?)

「まぁ今まで、色々弄られてたし思うところはあるだろうけど、とりあえず友達になってやってもらえないか?」


と清水。まとめると村田は俺と友達になりたいってこと?


「え?でも、村田って俺の事が嫌いなんじゃ?」

「違うの!むしろ・・・き」


と何だか後半は聞き取れないくらい小さい声だったけど、とりあえず俺の事が嫌いというわけではないようだ。


「まぁ嫌われてないなら同じクラスだし、むしろこんな可愛い女友達なんて嬉しいくらいだよ」

「か かわいい!!

 あ あんた私を煽ててどうするつもりなのよ!」

「ん?いや普通の感想だけど。村田って可愛いじゃん」

「なっ・・・・」


さっきより顔が赤くなってる。熱でもあるんじゃないか?


「村田 顔赤いけど大丈夫か?」


と村田のおでこに手をあてた。

気のせいか更に顔が赤くなった気がする。


「な 何勝手に私に触ってるのよ!!」

「あ ゴメン。でも少し熱があるかもしれないよ」

「こ これは違うから大丈夫なの!」


何を怒ってるんだ?


「い 行くわよ。というかあんたの家どっちよ!」

変な女だな・・・というか俺の家まで来るのか?

俺は小声で清水に聞いてみた。


「清水、結局のところ村田ってツンデレ?」

「そういうこと」 

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