第2話 なんで俺だけに

部活見学に来ていたのは15人だったけど、最終的に入部届を出したのは俺含めて6人だった。半分以上が冷やかしか・・・

女子も10人いたのが半分の5人になったそうだけど、まぁ残った奴らは皆やる気があるんだろうな。

もちろん、この間の3人も入部した1年の中に居た。


あの時は気が付かなかったけど女二人は俺と同じ1年B組だった。

村田は、明るくてよくしゃべる。そのせいか早くもクラス女子の中心的な人物になりつつあった。

もう一人の小早川は、あまりしゃべらないけど背が高くて美人なのでとにかく目立つ。とりあえず男連中の中では二人とも結構な人気みたいだ。

今も村田の席の周りには男女問わず人が集まり盛り上がっている。

まぁ俺には誰に人気があろうと関係ないけどな。

と何となく眺めていると村田と目が合った。


「何見てるのよ!」

「う うるせお前なんざ見てねえよ」


何だか知らないが、俺に対するあたりはやたらと強い。何故・・・


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部活が始まり、俺は清水と組んで練習をすることが多くなった。

身長や体格に経験してきたポジション等が近かったからだ。


[シュパ]

清水を抜きさり放ったシュートが決まった。


「よし!これで3勝1敗だな」

「ったく。お前体力もスピードも半端ないな・・・」

「清水も中々だぜ!」

「何だよその上から目線はw」


最初こそ、ナンパな奴と思ったけど、バスケへの取り組み方と人懐っこさから俺はいつの間にか清水とはライバルであり親しい友人としてつるむ様になっていた。

まぁある意味、高校での友達第1号だな。


「よーし 今日の練習はこれまで。1年は掃除して帰るように!」

「「はい!」」


練習終わりの体育館の掃除は1年の仕事だ。

俺と清水は体育館のモップ掛けだ。

隣りの女子バスコートを見ると向こうも1年生が掃除をしている。

と何故かモップ掛けをしながら村田が俺の方を睨んでいる。

『俺何か気に障ることしたのか?』

気にしないと思いつつも、流石に毎日睨まれてると気が滅入る・・・


「なぁ清水。村田ってお前と付き合ってるのか?それとも小早川か?」

「ん?どちらとも付き合ってないぞ。あいつらは幼馴染なだけだ」

「そりゃ、清水が思ってるだけで相手はお前の事好きなのかもよ」

「そういうのは無いと思うけどな。

 少なくとも小早川は好きな奴がいて、そいつが戻るの待ってるし、村田の方も色恋沙汰の話はしたことないけど・・無いと思うけどな。

 でも急にどうしたんだ?」

「小早川はそうなのか・・・

 ん~。何というか最近村田の俺に対する言動が荒れてるんだよな。

 普通に話しかけてもウザがられるし、少しでも視線が合うと文句言うし。

 別にあいつらに興味は無いけど、流石に敵意丸出しの視線は気が滅入るわ」

「なるほどな。村田には俺からそれとなく状況聞いてみるよ」

「手間かけて悪いな・・・」



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<雪村部長&小宮先輩>


「小宮、今年の1年どうだ?」


と雪村部長


「清水は噂通りというか、チームのフォーメンションとか覚えれば運動量とテクニック共に即戦力で使えますね。

 後は由良もいいです。スピードもあるし中々いいものを持ってますね。 

 鍛え甲斐がありそうです。

 長谷部、吉見、高田は少しプレーがおとなしいですが、その分正確です。

 彼らも伸びしろは大きいかと思います。

 で、予想外だったのが福島です。

 今の段階でスピードもテクニックも清水より上です。仙台に居たということなので、向こうに居る友人に聞いてみたんですが、東北

地区では有名な選手だったみたいですね。正直一番期待が大きいですよ」

「なるほどな。ただ、攻撃型の選手が多そうだね。

 今は小宮と畑がディフェンスを統括しているからいいけど、代替わりの時は厳しそうだ」

「そうですね。今年は人数も少ないですし今のうちにポジションの整理も必要になってきそうですね」



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<村田さん>


何あいつ。偉そうなこと言って、どうせ大したことないんだろうなとか思ってたけど、清水君と互角というかそれ以上じゃない。

それに知り合いだってのに他の男子に交じって私のところまで話ししに来ないし。清水君とは仲良さそうにしてるのに私には興味ないって言うの?

・・・・何かムカつくわね。

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