第8話 色を失った春
自分は何もかもがイヤになる。ボロボロと泣く自分。チビという家族を失った。周りの人は身代わりになってくれたと言うが、そんなことを言わないでほしい! 大事な家族に身代わりもあるか! 相手の運転手は謝ってきたけど、チビはもう帰ってこないんだよ!
自宅で、チビの写真を前にして、自分はひたすら泣いた。いくら泣いても、チビの死を受け入れられない。チビがもう居ない。
自分は壁を何度も殴った。相手の運転手に対しての怒りだった。それでも、チビの笑顔が頭に浮かんでは泣いた。悲しかった、チビを助けてやれなかった。
すると、玄関のチャイムが鳴った。出てみる。立っているのは、アカネだった。お互いに無言である。それから、アカネがチビの写真のある部屋に入った。自分もその部屋に戻る。自分とアカネは、無言である。
続く
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