第6話 笑顔のチビ

 散歩中、急にチビがお座りをした。なんだろうと自分は思って、すぐに、ああ、エサがほしいのだなと気付いた。

「チビ、いまエサをあげるからな」

 自分はエサ袋を取り出した。そして、袋に手を入れた時だ。アカネも袋に手を入れてきた。すると、自分とアカネの手が触れた。

 自分とアカネは、そのままお互いを見つめ合う。また、自分の心のドキドキが高鳴る。なんだろう、中学と高校時代、それから今でも友だち同士のはずだ。この感情はなんだろうか?

「ワンっ!」

 自分はチビの方を見た。へっへっへ、とチビは笑顔だ。自分とアカネはお互いに笑顔になって、チビにエサを食べさせた。


続く

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