クリスマス東京会談2




 前回、連合軍の本格的反攻作戦について議論した米英日露の四首脳であったが、話題は変わり終戦への道筋について・・・・・・



「我がロシア帝国としては、前大戦でも今次大戦に於いても、独軍にはかなり苦しめられており、彼らがまた力を持たないで済む方法があればと思うが・・・・・・」



「我が日本もロシア帝国に同意であります。二度の大戦はどちらもドイツから始まっていますからな」



「合衆国としても同様です。独国の現体制、ヒトラー率いるNSDAPの独裁体制が変わらぬ限り、無条件降伏。これ以外による戦争終結は認められません」



 米露日はあくまで前大戦の様な休戦講和を認めず、枢軸の中心ドイツに対しては完全な無条件降伏による終戦を主張。沙羅も前世の歴史を学んだ記憶から敵にとって無条件降伏がどれ程受け入れ難いものか分かってはいたが、難民救出作戦で救出されてきた難民達の姿を見て、ナチス・ドイツやその思想を持つドイツ人が10年後20年後の未来に存在するのは避けたかったのだ。だがチャーチルは納得しない。



「こちら側に有利な条件講和ならまだしも、近代国家の軍隊が全軍の無条件降伏など受け入れると思うか?!」



「ええ、ヒトラーは当然受け入れないでしょうな」



 沙羅は素っ頓狂な顔をして答える。



「では何か、ドイツを滅ぼすまで続けるとエリザベス大統領は言いたいのか?」



「そうですよ。正確に言えば、現在のナチス政権のドイツは滅ぼす。ドイをヒトラー率いるナチスの手から解放するのです」



「解放か・・・・・・あくまで彼らを支持したのもまた多くのドイツ国民ではないか」



「ええ、確かに。だからといってドイツ国民のナチ支持者を皆殺しにする訳にも行きません、そうなれば我々は文明人ではなくなる。彼等にはこの戦争で目を覚まして貰います」



「先程話したドイツ本土攻略か・・・・・・そんな事せずともドイツがナチス政権から交代して、それで有利に講和出来れば良いではないか」



「卿のそのお考えも分かります。そこで我が国の特殊部隊はとある敵将と接触し、独国内部での叛乱工作を現在行っています」



「またNINJAか」



「さすが情報先進国の大英帝国。情報は入っておりましたか」



 二人は一体何の話をしているのかと、日露首脳が顔を見合わせる。



「この工作が成功し、ナチ政権の打倒がなされれば、合衆国としても条件講和を検討します」



「あの、エリザベス大統領、チャーチル首相、あなた方の話している事がいまいちよく分からないのですが?」



 吉田が両者の顔を見ながら疑問をぶつけ、チャドヴィンスキーもウンウンと吉田に同意し、視線を合わせて首を傾げる。

 なんの事か全然分かんないよ(*´・∞・)(・∞・`*)ネーという感じである。現代日本の女子校生かお前ら。

 とまあ、仲良しな日露首相に沙羅は丁寧に説明する。



「えー、お二人ともCIAはご存知ですよね?」



(。'-')(。,_,)ウンウンシッテル、有名だよ(*´・ω・)(・ω・`*)ネー←吉田・チャドヴィンスキー



「それで、忍者は私が大統領に就任してからCIAとは別に組織させた、より隠密に敵地潜入や情報収集、謀略等を行う組織なのです」



 ヘースゴーイ(´・д・`)(´・д・`)←吉田・チャドヴィンスkry



「で、その中でも選りすぐりの者達を現在、ナチス・ドイツ国内へ送り込み、世論誘導、叛乱工作を行っており、中からヒトラー政権を倒そうというわけであります。分かりましたか?」



 ٩(* ॑ ॑* )⸝ワカッタ٩(* ॑ ॑* )⸝ワカッタ←吉田・チャドヴィnry



「なんの授業だ・・・・・・」



 日米露三首脳のミニコントにチャーチルは困惑していた。

 まあ一先ず沙羅も忍者部隊の事を日英露と共有できて安心といったところだ。



「それで、なぜ特殊部隊を忍者と名付けられたのですか?」



 吉田が沙羅に問う。ただの親日アピールで済ますか、やはり前世の事を話すべきか・・・・・・沙羅は迷っていた。




















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