第31話 ぎわくとやさしさ

マツが、細くて暗い路地に入りその先にある

謎の店に入ったところをとらえた絵美、未愛、シャーベットたち。


「からんからあんっ」



よくある喫茶店のようなドア鈴がこだまする。


マスター「よう、マツさんっ。景気はどうだい?? 本日のおすすめ

ドリンク。極楽鳥の極み~

まつMIXにしといたよっ!


マツ「マスター、こんにちは。こりゃきがきいてるねえ、

それになかなか刺激的な味だ。


それはそうと………マスター、

もう新型のアレ。完成してるんだろうね?」




マスター「うん?、ああ~ もち。あとで自宅に送らせていただきまさあ~~」


その会話の様子を外の小窓越しにそっと

のぞく絵美たち。


絵美「一体………何のはなししてんねんろな??

こんな怪しげなお店に何の用が……それに……アレって?」


シャーベット「なんだか謎めいてますね……」


みあ「もう少し様子をみましょう、」





TV「ここで最近立てつづけに起きている

臨時ニュースをお伝えしますっ。また………とんでもないことが

起こっているようで、現場の一ノ瀬さん??」


一ノ瀬「はい!!一ノ瀬ですっ。いやあ、また

信じられないことが起きていて、これは

歴史を覆すほどの案件につながりそうです………


さっそく本題ですが、最近 魔物界にて悪どいことで有名だった

過去の者たちが


次々と教科書などから一斉に消えているというのです……!!」


TVキャスター「一ノ瀬さん、私もいまだに信じられないのですが

これは過去、現在、未来に想定以上の影響を及ぼすのではないでしょうか??」


一ノ瀬「そうですね……一体誰が何のためにこのような

事をしたのか。意図的なのか、はたまた自然にこんなことに

なったのか一切謎ですが……。」


マツ「なんだか不可思議なことが起こっているんだねえ、

まだほとんど解明されていないようだが。」




マスター「ほんとに、考えられんことがおこる時代になっちまったもんだ、

この時代もそりゃあ昔よりは

<思考型魔かろん>のおかげで人様の生活は超絶便利になったが………。


以前よりこうなるこうなると予測されていたとうり……」


マスター「わたしらのようなものは、住んでた場所まで追い出され

ほとんどの事を、魔かろんに仕事も奪われ。ほそぼそと隠れ家的なとこで暮らすしかねえってわけよ、

なんとも情けねえ話だ。。」


マツ「それは決してあんたのせいじゃないよ、いたって普通の事じゃないか?マスター。


時代の自然な流れには勝てないことも多々ある。ま、あちきらがいる時代の


魔かろんの管理が過ぎてはいるようだね……」


マスターと話していたかと、おもうと

気づかない間にドア鈴の近くまで近寄り

店を出ようとしていた。




絵美「やっやばっ………かっ隠れて!!!!」


シャーベット「くっ

はあっはあっ、 まさか気配を消されてた?!」


みあ「っ……まさかの間一髪でしたね………な、なんとか

ぎりぎり見られなかったようです」



3人が去った10分後~


追跡型魔かろん

「ぴぴっ この時代でない人間の画像保存。

これより分析、本部へと自動送信。。ぴぴっ」




そう語っているとマツは、裏路地を出て

大通りに面した

魔かろん管理公園へと渡っていた。


絵美「マツさん、あんなとこにいってもおた……うちらも

後を追ってみよ??」




シャーベット「はいっ!!!」


そうするとマツは、何やら子供たちと話し込んでいるようだ。


子供たち「わああああ、まつおねーーーさんだあ~~♡ まつおねーーーさんあそんでえーーー??」


マツ「おやおや、しょーがない子たちだねえ。。そいやここんとこ

帰ってなかったか……ほお~~ら高いたかああああい!!」


子供たち「わあああああああ、おっきなおやまがみえるよお~?? けしきすっごおおく

きれいなの~!」


子供たち「ねえねえ~まつさあん、おにごしよお???

え~~私かくれんぼがいいなあっ。」




マツ「おやおやこりゃ、こまったね……。けど

にらめっこにしようか??」


子供たち「うんっ!!!マツさんが言うならいいよお~??

せえのお、にいらめっこしましょ、笑うと負けよあっぷのぷーーー♡」


子供たち「きゃっきゃっ あ~あ~負けちゃったあ、マツさん

その究極変顔ずるいよお。 けどね だああああいすきだよっ」



絵美「マツさんちびっこに大人気やないか……。それに特に変わった様子も、

なさそうやし?」


シャーベット「そうねっ、ほんといい人……なんだか

疑ってつけてきたのが恥ずかしくなってきちゃった、]


みあ「まあ、今のとこねえ……」


そこへ近くに住んでいるマダムが通りかかり、




みあ「おばあさん、近所の方ですか?!ちょっとだけ、お話を聞きたいんですが・・・」


マダム「ほいほい、なんでもきいとくれえ?」


みあ「あのマツって方ご存じですか? 知っていたら……どんな人か

お尋ねしたいのですが。。」


マダム「ああああ、まっちゃんね……もちろんしっとるよお??

何十年か前から特に思考型魔かろんの監視や管理が活発になってきよってのお」


「それで、人々から案の定仕事を奪い………それはそれは多くのもんが

労働に困るようになったんじゃが


ま。いうなればまっちゃんは

ぼらんていあといった形で……子どもたちの生活全般を大きくささえておる。


あんないい人は

そうは、みかけんよ……」


みあ「そうなんですか、なるほどですねっ!! 他には……なんでもいいですっ

ちょっとしたこととかご存じですか?」


マダム「そうじゃのお~~強いて言えば

このあたりでもそうなんじゃが   やや頻繁に異空間に出入りしとるのを、見た……と言う人が

結構おるくらいかのお??」


みあ「頻繁に異空間移動、ですか……マダム、ありがとうございます!!」


そう告げると、マダムは夕闇の彼方へと消えていった。




絵美「話もきいてたけど、うーんまあ

マツさんの事やし  異空間移動は別に普通の事なんちゃうんかな~

うちは、そう思うねんけど」



シャーベット「うーんっ、その件に関しては微妙ですね……それだけじゃなんとも??

私たちのやはり考えすぎかも;」


みあ「そうねえ……まだ調査も必要みたいだけれど、


さて、じゃあマツさんに約束の事とかは

うまく言っておくから 現実世界に戻りましょっか^^」


絵美「まあ結局なああんも、なかったし通常運転やな♪」


そういうと、3人はやや安心して

現実世界へと帰っていった。


その頃、ゆきは……一人公園のシーソーの上で夕暮れ時に

佇んでいた。


ゆき「あれから何日かたったけれど、やっと体が

ましになってきたみたい?はっ そうだっ!!あたし無二を、

無二をとめなきゃっ……焦」


「けど、あれほどまで力を得た無二を一体どうやって……

どう止めたらいいの??!」


そう思案しているとふと脳裏に楽しかった花火パーティの事、

パワーブレスレッドを……投げ捨てられたこと、

を思い出し 涙が自然にこぼれるゆきであった。


ゆき「なんでこれからって時に、こんな時に限って同時に嬉しい涙と、悲しい涙があふれてきちゃって;バカバカ無二、 なんでなんでこんなことに……うわあああんっ」


人知れず一人きりの時に 心のどこかで我慢していたのか

泣き崩れるゆき。


その斜め後ろあたりから、異次元空間へのゲートが突如現れた。




絵美「……おかえり、ゆき。これからは

ゆきひとりやない、うちら一緒におるやん?」頭をぽんぽんっと軽くなでるように

絵美が後ろからささやく。


ゆき「えっ……絵美いいい>< もううこんな目はらして泣いてる時に

くるんやから・・・ うっうっ うわあああああああん;;」


シャーベット「ゆきちゃん……回復したみたいで本当によかったっ!!


いっぱいいっぱい我慢してたとこも

あるんだよねっ; 今まで以上に私たちがついてますっ」


みあ「わたし、なんかで……よかったらいつでも

ゆきちゃんの力になるよ?そしてそれは

お帰りっていう、ゆきちゃんの居場所になる。」


そう、ゆきに優しく微笑みながら伝えるみあであった。

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