第8話 別れの時
大阪駅のプラットフォーム。
大阪に二泊し、オレと大介さんは今日東京に帰る。
永遠と大介さんには昨日の遊園地の帰りから近寄りがたいオーラが出ていた。
何て表現すればええんやろ。
恋のはじまり的な。
東京で待っている皆の期待していたとうりになったみたいやけど、オレは何とも形容しがたい淋しさも感じていた。
せやから、昨夜も大介さんと同じ部屋やったけど、ろくに話もせずオレは先に寝たふりをしてしまったんや。
二人とは1車両分離れたところで、オレと絆も話をしていた。
「翔。
今度いつ会えるかわからないけど、体に気をつけて元気でね。」
「絆も元気でな。」
「翔。大丈夫なの?
うち、もう黙って見てられへん。
かけちゃん、大介さんのこと好きなんでしょ…
短い時間やったけど、4人で過ごしてみてわかっちゃったの。
うちは永遠ちゃんとは親友やけど、大介さんと知り合ったのはかけちゃん…じゃなくて翔のほうが先なんだから、あきらめることないよ!
うち、翔の淋しそうな顔見るの嫌や。
ちゃんと自分の気持ちに正直に生きて。」
「ちょっと、待って。絆。
オレは確かに大介さんのこと大好きやけど、
オレが好きなのは、
男として守ってあげたいのは、
後にも先にも
絆ちゃんだけやから。」
「嘘や。」
「嘘じゃないよ。」
「夢や。」
「夢でもない。」
「ホンマに?」
「ホンマや。」
「もう一度言って。」
「絆ちゃんのこと大好きやで。」
その瞬間、出発の合図のメロディが流れた。
「どうしよう!
永遠ちゃんには諦めてもらおう思て、大介さんは永遠ちゃんには大人すぎるて言うてもうた。
うち、翔のためやと思って…
あの二人あんなにお似合いなのに!
永遠ちゃんの親友失格やな。」
「そこ!?」
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