第6話 朝ご飯
大阪2日目の朝。
最高の目覚めだった。
こんなに爽やかな朝の目覚めはいつぶりだろう。
それはオレの大好きな大介さんが隣で寝ていたから…ではなく、オレの大好きなコーヒーの匂いがしたから。
とても良い香りが漂う源、キッチンに向かった。
キッチンで料理をしていたのは、大介さんやった。
「大介さん!何してはるんですか!?」
「翔、おはよう。」
「おはようございます!
じゃなくて、大介さんもしかして朝ご飯作ってるんですか?」
「うん。もちろん翔の分もあるよ。」
「ありがとうございます!
じゃなくて、大介さんはお客さんなんだからゆっくりしてくださいよ。」
永遠と絆も起きてきた。
「おはようございます。
すごーく良い匂いがして来て目が覚めました。」
「何だ。
皆のこと起こしちゃって悪かったかな。」
「大介さんは何も悪くないですから!」
「そう?
自分は料理をするのがいつもの日課なので、苦でもなくむしろ楽なので、皆さんもゆっくりいつもの朝を過ごしてください。」
「そうや。
絆ちゃん、うちらパジャマのままや。
着替えてこよう!」
そう言って女子たちはシャワーを浴びに行った。
「大介さん、オレにも何か手伝わせてください。」
大介さんはいつもは店の料理はゼッタイに手伝わせてはくれないが、
「そうか?
じゃ、翔にはサラダをお願いしような。」
と言ってくれた。
オレんちのキッチンで大介さんとふたり並んでいるなんて、何か変な感じ。
すると、
「翔と料理するの確か初めてなはずなのに、なんか懐かしい感じがするんだよなー」
と言ってくれたんだ。
テーブルにサンドイッチとスープにサラダ、コーヒーが並んだ頃に、永遠と絆も身支度を整え終わり、皆が席についた。
「いただきます。」
「大介さん。ありがとうございます。
とてもおいしいです。」
「勝手にキッチン使って、冷蔵庫に入っていたものも使わせてもらっちゃったけどね。」
「私までごちそうになっちゃって。
ホンマにおいしいです!」
「絆ちゃんが布団干して用意してくれたと聞きました。ありがとう。」
「絆、おおきに。」
オレも絆に礼を言い、大介さんの用意してくれた朝ご飯を食べながら、昔のように絆とやり取りをして笑いあって、近況を報告しあって、おそらくオレと絆の二人が感じていたであろうわだかまりみたいな物が自然に溶けるような温かい時間だった。
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