第3話 サプライズ
「大介さん、お疲れになったでしょう?
あっちこっち連れ回しちゃって、すみませんでした。
楽しくてつい、時間も忘れて。」
「そんなことないですよ。
自分も楽しかったですから。」
永遠と大介は大阪観光の後、夕飯を済ませて宿泊する場所へタクシーで向っていた。
「もうすぐ付きますからね。
かけちゃんからも着いていると連絡ありましたので。」
「永遠さんにわざわざ送っていただいて、すみませんね。」
「ん?送る?
かけちゃんから、聞いてませんか?
着きました。ここです。」
そこは大阪の住宅街の一軒家の前だった。
「ここ?」
永遠が玄関の鍵を開けて中に入り、
「かけちゃん、ただいま。
あんた、大介さんにうちに泊まってもらうこと話してなかったんか?」
と、声をかけた。
「あれ?話してませんでしたっけ?」
翔がリビングのソファに寝転び、テレビを観ながら答えた。
「大介さん、お疲れ様でした。
座って休んでください‼
今、お茶入れますからね。」
翔が立ち上がり、台所に向って歩いていくと、
「うわー!!!」
と叫び声をあげた。
「翔、どうした!」
翔の叫び声を聞いて、大介がすぐに駆け寄る。
「人が倒れています!
大介さん!
大変です…殺人事件です!」
部屋で着替えをしてきた永遠もやって来て、
「絆ちゃん!
大丈夫?しっかりして!」
と倒れていた人の体を揺すった。
「とわちゃん…?
あれ?どうしたの?」
「どうしたのはこっちのセリフやわ。
何でうちのキッチンで倒れてるの?」
「ん?
そうやわ!
昨日とわちゃんからかけちゃんが帰ってくること聞いて、家の鍵を借りて待ってたんや…
帰ってきたときに驚かそうと思うて、ここに隠れてて、でもなかなか帰って来なくて、寝ちゃってたんやな…
失敗や、サプライズ失敗しちゃった…。」
「あっはっはっはっはっはっ」
大介が笑い、
「嘘やろ!何なん?ホンマに驚いたわ!」
翔が腰を抜かし、
「サプライズ成功やな。」
永遠が呟いた。
そして、
「大介さん。
うちの隣に住んでいて、うちらとは幼馴染の絆ちゃんです。」
と紹介した。
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