第13話 冬の朝

 冬の朝は起きられない。みんなそうだと思うが、当然布団からは出たくないし、学校にも行きたくない。さらに私の場合、低血圧のおかげで朝は体がほとんど動かない。この素晴らしい相乗効果により、私はまだ毛布にくるまって、だらだらとスマホをいじっているのだった。

 しばらくすると親の階段を上がってくる音が聞こえてきた。あー、起こされる。私の癒しの時間が…。

 にしても寒すぎる。私は朝の支度をしながら考える。人間にも冬眠があってもいいんじゃないか。このあり得ないほど寒い日に外に出たいなんて誰が思うのか。

 夏の暑さなんていくらでも耐えられるが、冬だけはどうも駄目なようだ。熊の冬眠がうらやましい。人間にも冬眠休暇みたいな冬休み的な休暇作らないだろうか。一歩も家から出ないから、インフルエンザ予防にもなるという素晴らしい点がある。我ながら完璧じゃないか…。

「寒っ…!」

 外に出た瞬間私は冷たい北風に殺されかけた。

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