Evening/Good bye-6


 勝手に、フロアの扉が開かれた。三人が驚きながらそちらに目をやる。

 そこには、ひとつの小さな影が立っていた。

 光が当たって、顔が見えない。

 目を細めながら、アラタが警戒して聞いた。

「誰だ」

 影は、黙ったまま微動だにせずに三人を見ている。

「どうした?」

 向こう側から、声がした。すると、影の後ろから三人、影が追加で出てきた。すると、最初の小さな影は、足を踏み出し、双方の間まで歩いていく。

 丁度中央にその影が立った。影を挟んで、三人と三人が相対している。

 何故かどちらも黙ったまま、睨みあっていた。いや、睨む、というより、眺めていた。どちらとも、相手が動くのを待っているような、奇妙な時間が流れた。

 向こう側も、逆光でこちらの顔は、見えていないだろう。ただ黙って、行く末を見守っている。

 その時、太陽が、沈んだ。

 強烈な日差しはなくなり、明るいが、互いに顔が確認できるようになる。

 真ん中に立っているのは、女子だった。

 後方三人は、男だ。

 アラタは眉根を寄せ、「誰だ」とまた呟いた。どれも見たことのない顔だ、と顔を顰める。

 しかし、シンジロウが声を掛けた。

「……シュウ……」

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