第57話 結局は①

 電車がようやく自分たちの暮らす田舎の町まで帰って来た。

 

 「家まで送るよ」


 そう言って俺は家まで西川さんを送る。その道中、西川さんはいきなり俺に問いかけて聞いた。


 「あの・・・もう1人の私はなんて言ってましたか」


 西川さんは気づいていた。さっきの電車内で自分の中のもう一つの人格が自分の代わりに表の感情に出てきていたことを。


 「気づいていたんだ」


 「うん」


 俺は電車内で悪西川さんと話したことをすべて西川さんに話した。

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