第50話 行方不明⑥

 「離して!もう、私と関わらないでよ」


 本当は関わっていたい。

 

 「親しい彼氏でもないのに私に触らないで」


 佐阿と触れていたい。


 私はもう、どうしたらいいのか分からなくなってしまった。

 それでも手を離そうとしない佐阿。


 「・・・ごめん。鈴が今そんな顔をして泣かしているのは俺のせいだろ。何かけじめをつけたい」


 けじめ・・・か。そうだよね。

 ここまで引き留めてくれている佐阿に少し、ほんの少しだけ心の中で私の事を想っているからという期待抱いてしまっていた自分がいた。

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