第16話 兄貴からの手紙①

 「あっ。さくまにぃ、おはよう」


 俺が部屋から起きてくると、紗季が朝ご飯の準備をしていた。


 「紗季、おはよう。今日って、俺が朝ご飯の当番じゃなかったか?」


 「そうだったけど、いいよ。今日は私が準備美してあげる」


 紗季は鼻歌を歌いながら朝ご飯を準備してくれた。


 「(まさか、さくまにぃ。あんなもの金庫にしまっていたなんて)」


 昨日、さくまにぃに金庫見るのを止められたが、さくまにぃが寝ている間に部屋に侵入してこっそりと中を見た。

 中には通帳やちょっとしたガラクタが入っていた。

 その中に私が確か幼稚園の頃にあげた、さくまにぃ大好きと書いた絵が大事に封筒にしまってあった。

 少し、恥ずかしかったが嬉しかった。

 私の絵をずっと大切にしまっていてくれていたなんて。


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