第11話 応援
「佐阿さん…いや、お
「流石にやめてくれ」
「分かりました。じゃあ、兄さんと呼ばして頂きます」
「はぁ。まぁ、お
西川さんがお見舞いに来た翌日。
昨日はしっかりお礼を言えなかったと憲がお菓子を持って俺の病室にやってきた。
「兄さんのおかげでお姉ちゃんは僕と久しぶりに喋ってくれました。ありがとうございます」
「…それはよかった」
「最も内容が兄さん関係じゃないとそこまで喋ってくれませんが。僕は嬉しいです」
「そ、そうなのか」
何故だか少し照れてしまう。俺が話題の時だけと言うところに。
「ですが、まだ僕とだけで母とは全く喋っていません」
「そうなのか?ていうか西川さんのお母さんはこの事何も言っていないのか?」
「はい。全くの無関心でした。でもこのままいけば、きっと母とも喋ってくれる気がします。だから、兄さん、お姉ちゃんを大切にお願いします」
そう言って俺に頭を下げる憲。
「言われなくても大事にするよ」
「やっぱり、兄さんは兄さんですね。そんなキザなセリフを言えるなんて」
「う、うるさい!」
「僕も応援しているんで頑張って下さい」
最後にそう言い残し病室を出て行った憲。
この応援の意味を俺は深く考えていなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます