第7話 お引越し②

 予定より1時間遅れて引越しは完了した。

 俺が引越し業者の方々の足を引っ張っていたのは言うまでもない。

 

 「さくまにぃ。今日晩ご飯お願いね」

 

 「ち、ちょっと待ってくれよ。もう体が動かないだけど…」


 紗季はスマホ出して電話をかけようとする。

 

 「か、買い出しに言ってきます!」


 兄貴に告げ口をしようとしていたのだ。俺は慌てて家を飛び出た。

 


夕方の商店街


 えーと、まずはお肉を買わないと。

 お肉屋さんに行きお肉を買う。

 

 「600円ね。おっと、兄ちゃんこの間は残念だったな、これサービスで付けといてやるから元気出せよ」

 

 お肉屋さんのおっちゃんがコロッケを付けてくれた。

 …おそらくだが、いや確実にあの告白の事であろう。

 それから、行く店全てで同等にサービスされた。

 喜べばいいのか?悲しめばいいのか?なんとも複雑な気持ちである。

 商店街からの俺のイメージは振られた男として認知されていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る