8-2

トゥルルルル…トゥルルルル…


「誰だよ……はい、もしもしっ」

「メール、見たァ?」

「えっ」

「フフフ、ボク優しいでしょー?」

「お前…奏美をどこにやった!!!」

「おーっと、あんまり騒がない方がいいよー?」

「あ?」

「ボク今、将にいが崩れ落ちたの見てたし〜」

「えっ」

「その周りにはボクだけじゃなくて〜怖い人いっぱい居るよ〜?」

「なんだと?」

「あんまり騒ぐと、奏美の結婚式見る前に死んじゃうよ?ギャハハハハッ」

「てめぇ…」

「返して欲しい?そーだよね〜?」

「……どうすればいい?」

「そーこなくっちゃー!まずは〜学校に戻ろっか〜」

「高校に?なんでだよ、巻き込みたかねえんだよ」

「だから〜巻き込むために戻るんだよ〜?」

「…戻ってどうすんだよ」

「頭を使って???生徒にはバレないように〜!ひゃはははっ」


ツーッ ツーッ ツーッ…



「くそっ!!!」



┉┉┉┉┉┉┉┉┉┉



「あら、冴島先生」

「どうした、忘れ物か?」


「…生徒はもう帰りましたか」

「まだ片付けしてるのがいるんじゃないかしら」

「じゃあ、あと10分で全員帰るように放送してください」

「良いけど…どうしたんだよ?」

「早くしてください!!!」

「あっ、わ、わかった…」



そのまま校長室に、ノックもせずに入る。



「ちょ、冴島先生」

「すみません校長」

「…どうしたんだね」











「妹が……




 奏美が…誘拐されました…」

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