第8話『ついに起きてしまった大事件』

8-1

「おっかしいな」



奏美のスマホに、何度掛けても繋がらない。



『電源が切れているか、電波の届かないところに』ピッ

「何かあったのか…?」



なんだか、嫌な予感がした。

あの日と同じような、背筋が凍るような予感が。



「すみません、先に失礼しますっ」

「?お疲れ〜」

「なんか焦ってたけど…」

「早く帰れって急かされてんじゃないのか」

「どうだか…」



門を出たところで、ちょうどタクシーが通り掛かる。



「あっ、すみません!」

「…はい、どちらまで?」

「花崎五丁目のバス停までお願いしますっ」

「はい、分かりました〜」



うちのアパートは、バス停の真ん前なのだ。

わざわざ家の住所を言わなくて済むから、いつもこう伝える。



「すみません、もっと急げませんか」

「うーん、道がねぇ」

「そこ曲がったら、裏道なんですけどっ」

「ああ、そこね」



知ってるんか!だったら最初からそれで行ってよ!!



「ご乗車ありがとうございました〜」

「ああ、はい」



部屋がはっきり見えるとこまで走る。



「はあ…はあ…、電気、付いてない…」



それはつまり、帰ってきていないということだった。



「嘘だろ…どこ行ったんだよ…」



とりあえず、学校に戻ってないか確認しよう。

手こずりながらスマホの画面を付ける。



「…ん?」



迷惑メールみたいなタイトルの受信がある。

いつもは無視するんだけど、指先が勝手にそれを開いた。



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From: 本当の兄

To: 冴島将太

件名: ボクの妹を返してもらったよ。


奏美、とっても可愛い子に成長してたね〜

本当の兄として、恋人として、嬉しい限りだよ

ここまで育ててくれてありがとう???

あはは、でもこれでお前はオシマイ

ボクが奏美を一生シアワセにするよ〜?

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────────

From: 本当の兄

To: 冴島将太

件名: あっ、でも可哀想だから〜


急に取られるっていうのは辛いよね?、

ボクもその気持ち、とっても分かるよ〜

だから優しい優しいボクは

救済措置を作ってあげたよ〜、えへへ〜

いちおく円くれたら、返してあげてもいいかな??

まあ払えるわけないだろうけどねー!!!

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「…おいおい嘘だろ……」



目の前が、真っ暗になった。

走馬灯のように、色んな思い出が頭をよぎる。

脚から崩れ、声にならない叫びを地面に叩きつけた。






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

作者です!

大変お待たせして申し訳ないです💦‬

トンデモ展開になりました…

皆様の感想お待ちしていますね😆


さてさて、ついに作者は

2週間後に期末テストが迫っております

また近況ノートにもある通り、

現在かなり学業に勤しんでいるため

これからもスロー更新になります…

頑張って続けてはいきますので、

完結まで応援よろしくお願いします🙇


P.S.

たんおに、ついに8000PV突破しました!

皆様のおかげです!!ありがとうございます!

8話からさらに伸びてくれたらいいな🤭

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