第5話『バレるな、恋心』

5-1

翌日、水曜日の朝。

私たちは、屋上に居た。



「…というわけで、ごめんなさいっ」


「そっか…、わかった」



自分がいかに酷いことをしたのかは、よく分かっていた。

本当に、ごめんなさい。


見たことも無い佳月の悲しそうな表情に、胸が痛む。

結局、断る理由も嘘だらけだから。



「ま、個人的には諦めないからね」

「へっ?」

「はははっ」

「ちょっと〜」



諦められるわけ無いだろ…。

恋愛感情は持てなかった。これで俺はフラれた。

別に今は持てなくたって、友達から始まる恋愛だってあるのに。

人生初の告白は、モヤモヤしたまま終わった。



「戻ろっか」



安堵しただろうか。

奏美の笑顔は、もう手の届かないところに行ったしまったような

爽やかすぎる笑顔だった。




「おーい、なに朝から二人で屋上行ってんだよ」

「なにって何にもないよ」

「お前が気にしすぎなんだよ、おらっ」

「ちょっやめろって!あははっ!」


「イケメンがじゃれ合っている…ジワ」

「ちょっと晴香…好きなの?推しなの?どっちなの?」

「どっちも」

「そんな昇天された顔で言われても…」



またいつもの、四人の日常が戻った。

ただでさえイレギュラーなことになってるんだ。

せめてここだけは、いつも通りであってほしい。



「おはよー」

「「「おはようございます♡♡」」」

「あっ…」



これだから、朝は苦手だ。



┉┉┉┉┉┉┉┉┉┉┉┉



「ああ〜疲れた〜」

「奏美がそんなの珍しいね」

「晴香はいいよね、いつでもその感じでさー」

「それ褒めてる?それともバカにしてる?」

「今はめっさ褒めてる」



そりゃあ疲れるよ…。

今日はなぜか将にい祭りなんだもん。



一時間目。英語表現。普通に悶絶。


二時間目。体育。普通に疲労。


三時間目。家庭科。

地味に後ろで将にいが見てて(よくある授業評価的なやつ)集中できず。


四時間目。化学、だったんだけど

まさかの自習、監督が将にいで悶絶。


いや、疲れるよこれは…。



「まあこのあと数学だし」

「奏美ってほんと数学好きだよね」

「パズルみたいで楽しくない?」

「そもそもパズルが楽しくない」

「ええ」

「でも六時間目は…」

「ああっやめて!」



六時間目は、とてつもなく苦手な世界史だ。

テストのときは何とか短期記憶で切り抜けるんだけど、

模試になると途端に覚えてなくて出来ない。

ほかの教科は何回かやれば思い出せるようになるのになあ。

完全に脳が拒否してるのかしら…。



「もう〜竹田先生悲しむよ」

「私は先生の何でもありません」

「それはそうだけど…私は世界史好きだなー」

「私と晴香は正反対だからね」

「だから居心地いいんだけどね〜」



正反対か…。

私と将にいは、どうなんだろう。






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

大変お待たせしました💦‬

これからの構成をどうしようか

悩んでいたら遅くなりました…

あとは多忙です。笑

更新はゆっくりですが、

展開はジワジワ速くなっていくので

お楽しみに🙋

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