第X話 対決
ここ幻夢境の支配者はニャルラトホテプだと言われている。正確には幻夢境の支配者たる旧神達の管理者がニャルラトホテプである。おい、Discordの繋がりにも何人かいるなあ?!彼のものの化身は多岐に渡り過ぎて恐らく自分でも人格を制御しきれていないのだろう。その中の1つが今、目の前でニヤニヤしながら見下ろして来てる。巨大なナイトゴーントタイプだ。真っ黒ののっぺりした皮膚に翼を生やし、顔が無くて王冠を被っている。背後に電脳世界へ帰る為の鍵「俺のPCの形を模した帰還装置」が見える。
「よお、あるあるさん」
聞いたことのある声、知らない声で話しかけてきた。
「せっかく此処まで来たんだ、あと1000年位ゆっくりしていきなよ。ランドルフ・カーター以来の快挙なんだぜ?新記録おめでとう🎉」
「ソシャゲも出来ないド田舎に興味はない。」
学マスのTrueEndをようやく3人取ったばかりなのだ。
「最推しのTrueEnd見たんだからもうクリアしたも同然なのでは?」
なんだコイツ、ぼくのXのポストでもチェックしてんのか?
「Xより君の脳内情報の方をチェックしてるんだよ、リアルタイムでね。地球現生人類の神経パルスは面白いねえ!」
(神様だからってやって良いことと悪いことがあるだろ、いい加減にしろ)等の読まれたくない思考が交差する。だが圧倒的強者を怒らせない方が良い。
「神様だからってやって良いことと悪いことがあるだろ、いい加減にしろ!!」
敵に対して謙ってどうするのだ。
「ふうん…交渉の余地無しでプチっと潰してもよいんだけどね…?」
巨体が少しだけ殺気を帯びた。だが…
「なるほど、交渉をする気があるんだな?」
それが終わるまでは実力行使をしてくる確率は低いってワケ。殺気は消えていないが暫しの間、思案するそぶりを見せた。まぁフリだけだろうが。
「…単刀直入に行こうかな。君には元居た次元に帰って欲しくないんだ。君が存在する事で地球現生人類全体のいわば可能性が僅かに上がる…コズミックホラーがSFに近づく可能性が出てくる。我々の存在意義に関わるんだよ。」
マジか…ぼくってそんな重要人物だったのか…
「とは言え、コストを掛けるくらいなら潰しちゃった方が良いのかな」
ヤバい、流れを変えよう。
「三食昼寝付きでゲーム謎解きし放題でここの王にしてくれるなら泣く泣く要求を飲もう」
苦渋の決断だが…
「それがコストなんだよね。権力持たせたり暇を与えたりしたら勝手な事をし始める未来が見えた。しかし潰さないのにも理由があってね。あんまり因果律に逆らうと痛い目みるのはこっちなんだ。君はまだ生きている運命にあるらしい。1をゼロにする干渉をするには君は地球現生人類と縁を持ちすぎてる」
古参Vtuberを舐めるなってこと。…それなりに話が見えてきた。そう、現実世界や電脳世界でのぼくの活躍がこいつには邪魔なのだ。本当かどうかはともかくそういう体で話を進めたがってはいる。そしてこれも本当かはともかく「心を読む」「未来を予知する」…さらに恐らくは「こちらより戦力が高い」。さてどうするか…。
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