第9話 ヘンリー・ルルイエへのインタビュー 2
「またですか。もう勘弁してください。
取材に応じることが少しでも捜索の助けになるならと過去には考えていましたが、わかったのは何もわからないということだけです。
私から話せることなんて、貴方の前に来た記者がとっくに記事にしていますよ」
Qアデリン・アンダーソンについて
「貴方も病院にしつこく問い合わせている人たちの一人ですか。
病院に迷惑をかけるのはやめてください。
アデリン君なら相変わらずとしか言いようがありませんよ」
Qアデリン・アンダーソンについて
「亡き妻の妹で、娘が幼い頃から世話になっている淑女です。
ほかに申し上げることなどありません」
Qルイーザ・ルルイエについて
「……かわいそうな子です。
ええ。本当に。
かわいそうに」
Qサン・ジェルマンについて
「わかりません。私には。何も」
Qサン・ジェルマンとみられる遺体について
「あの人が本当にそうだったのか……
誰であれルイーザを守ろうとしてくれたことには感謝しています。
あのご遺体が仮に父だったとしても、私と血が繋がっているわけではないとのことですので、私の血液等を調べても何の手がかりにもならないでしょう。
違うという証拠を誰かに見せられれば喜んで飛びつくし、そうだと言われれば私は黙ってうなずくだけです。
記者さん、貴方は常識にも状況証拠にも囚われず、貴方の読者がおもしろいと思ってくれるように書けばいい。
ほかの記者だってみんなそうしてきたんですから」
Qキャロライン・ルルイエについて
「私はあきらめていませんよ。
ルイーザの遺体があんな状態だったからって、キャロラインまで死んだという証拠にはならない。
私はあきらめません。
あれから何十年経ったのか、数えるのももうやめてしまいましたが私の体は年老いていく。
こうしてキャロラインが消えたと伝えられる海に来られるのもあと何回か。
遺体を探しているんじゃありませんよ。
例のメッセージを探しているんです。
誰かのいたずらなんかじゃありません。
キャロラインは生きているんです!」
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