第18話 映画にまつわる手紙 5−1

親愛なるオリヴィアへ


 少し落ち着いたので手紙の続きを書いてみるわね。

 映写室のドアを開けたところで、わたし、映画の世界に吸い込まれてしまったの。

 そこにはおばあちゃまじゃないパトリシアのルイーザが居て――

 若いころのパトリシアおばあちゃまの姿をしたルイーザ居て、わたしは生け贄にされてしまったの。

 されそうになったの。

 生け贄に選ばれたんだけど生け贄にはされてなくてその前に逃げ出して――


 ごめんなさい。まだ混乱しているわ。文章がメチャクチャ――

 でも書くわ。書かないと前に進めない気がするから――



 生け贄って聞いて逃げ出して――知らない町にいきなり来ちゃうのは二回目だから、それ自体ではそんなに慌てなかったんだけどね。

 町の景色はフェブラリー・タウンの地下で見たのに良く似ていたわ。

 ただ、フェブラリー・タウンはまだちょっと照明とか壁の色とかが明るくてメルヘンチックと言えなくもない雰囲気だったのに、こちらは全体的に灰色とか赤茶色とかで、不気味で荒んだ感じなの。



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