第13話 フェブラリータウンからの手紙 6

親愛なるオリヴィアへ


 さっきまでルイーザの様子を見てたんだけど、あんまりうまくいっていないみたい。

 ルイーザが霧吹きで作る幻には、種類が二つあるの。


 一つは前の手紙に書いた幸せな新婚夫婦の幻。

 二つ目は、夫が妻に目もくれずに調べものに明け暮れている幻。

 ルイーザが出したいのは二つ目のほうらしいんだけど、一つ目のばかりが出てきちゃうみたい。


 幸せなほうを見ていたいという気持ちが強すぎて、本当にあるはずだったほうを思うように映せないんですって。

 どうして幸せじゃダメなのかしら?

 どっちもどうせ幻なのに。



 おじいちゃまの調べものが何なのかとか、幻でそれがわかるのかとか、質問攻めにしたらジャマがられて追い払われちゃった。

 だからこうして部屋に戻って手紙を書いているの。

 そろそろお茶の時間だし、ルイーザも戻ってくるでしょ。

 じゃ、またね。


キャロラインより




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